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副詞の分類――これでいいのか

 副詞の主な働きは述語動詞の伝える動作や行動,形容詞の性質や状態がどのような条状況下で行われているのかをより具体的な情報として伝える語である。以下はその働きをもとに『中国語文法ワールド』§15副詞P.295)では副詞を1.時間 2.程度 3.範囲限定 4.重複反復 5.方式様態 

6.語気話し手のムード 7.否定禁止 8.疑問」の8項目に分類した。

 初稿段階では上記1~8の分類に従って≪副詞――意味上の分類≫という表にまとめたが,例語をきちんと分類できたという自信が持てず,最終稿ではABC順に例語を挙げるにとどめた。

ところで,近刊の『つたわる中国語文法』(林松濤著 東方書店)を見ると副詞を「1 範囲2 程度3 頻度4 時間5 否定肯定6 様態7 語気」の7項に分けて,とてもわかりやすう説明さえておられた。今後の参考資料として挙げられている例語を私なりに以下の表にまとめてみた。なお,オクラにした私の≪副詞――意味上の分類≫は後日参考資料として掲げる予定である。

             ※ 表内の黒字は『中国語文法』で示した私の副詞の分類です。 

                 表内の黒字は『中国語文法』で示した私の副詞の分類です。

1.範囲   3.範囲限定

1 範囲拡大  也  还  又  再

2 範囲限定  只  只有  光  /仅仅  但  单  

3 総括範囲  都  所有的  一共  一起


2.程度   2.程度

1 感嘆文程度  好  /多么  

2 平叙文程度  特别  比较  很  相当  非常

3 比較の程度  /稍微  得多/多了  再  最///及其/极了


3.頻度   4.重複反復

1 回数の多さ  常常  时常  时不时  有时  偶尔

2 規則性    总是  往往

3 [また]    又  再/再不/再也不  不再/再也不/没再
   还/还不/还没


4.時間   1.時間

1 現状との関係  原来  本来  曾经
   
/从来不/从来没/从来也/从来都/

2 変化との関係  还  已经  刚/刚刚  刚才

3 話し手の気持ち 就  才  

4 継起との関係  /马上//立刻  一直/始终/早晚
   
届时/几时/准时/按时

5 進行を表す   //正在


5. 否定・肯定   7.否定禁止

1 意志と結果       

2 その他の不定副詞    不必  不止  不免  不妨  不曾

                      

3 副詞の“是”        是不是



6.様態   5.方式様態  8.疑問

1 変化を表す     突然  忽然
          
赶忙  连忙  急忙  越  渐  照
2 意識・気持ちを表す 故意  随便  顺便
           不由得  不禁  偷偷  悄悄  别 纷纷


7.語気   6.語気話し手のムード

1 推測殿関係   恐怕  仿佛  好像  似乎

        肯定  一定    说不定  不一定  不见得

2 予想の当たり、外れ  其实  实际上  果然  居然  竟然
    竟  
难怪  怪不得  

3 ラッキー、アンラッキー 正好/刚好/恰好/正巧/不巧
            
幸好/幸亏/还好  亏得/多亏

4 道理との関係  必须/应该  不要/不能 当然/自然 却 难道

5 数量に関する副詞   最多/至少  最不多/差点  千万/万万

6 話し手の心情     //干脆/反正  简直/根本

           到底/究竟/毕竟/不愧为/结果/终于/总算 


 




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by damao36 | 2017-09-26 18:12 | 中国語 | Comments(0)

吉川英治の『三国志』を読む――オスは戦う動物なのか

ヒマ潰しに読書をと公民館へ。知らない作家の作品がほとんど。ノーベル賞に近いという村上春樹の『海辺のカフカ』『多崎つくる』を読む。複雑怪奇な感情動物人間が描かれ,読後の気分は重たい。

 目先を変えて未読の作家宮城谷昌光の中国歴史小説『劉邦』『管仲』を読む。吉川英治の『三国志』全
10巻が復刻新刊されていたので,次に読む。内面・情景描写は少なく,粗筋みたいな文体だが,行動スケールの大きさで読ませる。

 語り手は漢中王劉備や猛将の関羽,張飛,趙雲,軍師の孔明に好意的。でも,曹操や孫権,その忠臣たちもりっぱな英雄傑物だ。彼らは戦いの中で世を去り,命をかけて守った魏・蜀・呉もともに滅びる。


シナ大陸の覇権争奪が今は地球規模に。刀と弓矢がミサイルだ。人,特にそのオスたちは好戦的な動物なのか。覇者は力を背に権謀術数を弄し,弱小者の私は碁石片手に,ほぼ毎日無い知恵を絞る。覇者と私の達成感,はたからみるほどの雲泥の差はない,私はそう思っているのだ。
     力を誇示する覇者が争うのは勝手だが,覇権争奪の目的は弱小者の支配にある。昔は山奥に住めば隠者に
    なれたが,今は隠れる場所もない。迷惑千万な話だ。








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by damao36 | 2017-09-20 09:29 | 趣味は読書 | Comments(0)

これでいいのか⑲――介詞構文の<前“不”型>と<後“不”型>

 介詞構文のほとんどは状語として述語の前に来る前置型です。この状語についてはこのブログの前回記事で「状語には①述語の時空間を示す状語時間詞・方位詞・場所詞,それに時空間を示す介詞連語),②述語と関わる人・物・事の働きに関わる状語述語と人・物・事との関連を示す介詞連語),③述語の状態を示す状語副詞や形容詞など)とがある」と書きました。

上記の状語の分類によると,介詞連語は①と②に関わるのですが,介詞連語を用いた介詞構文を否定の副詞“”で否定するとき,大多数は述語の直前ではなく,述語を修飾する状語の介詞連語の直前に置かれます。しかし,介詞連語の前ではなくその後の述語の直前に置かれる型もあります。この2つの介詞構文の否定の型を相原茂氏は著書『読み解く文法』(現代書館)で,<前“”型>と<後“”型>と命名しています。

ところで,拙著『中国語文法ワールド』の§16介詞または§22-2 “把”構文例文を当ってみると,その点に関する解説がほとんどなことに気づきました。介詞構文の否定には<前“”型>と<後“”型>とがあるという視点をも加えておくべきではと反省しております。

 それでは介詞連語の<前“”型>と<後“”型>とはどういうことなのでしょうか。『読み解く文法』の例を用いて私なりに説明しておきます。

   A 跟她说话  彼は彼女と話をしない。彼は彼女と話したがらない。

B 在家啤酒私は家ではビールは飲まない。外でなら飲む。

A’他跟她说话 彼は彼女と話さない。彼は彼女と口も利かない間柄である。

B’我在家啤酒私は家ではビールは飲まない。○○酒なら飲む。

ABの“”は<前“”型>です。この型の“”は状語の介詞連語“跟她”と“在家”,述語または述・賓連語の“说话”と“啤酒”,その両方を否定しています。ABの“”は<後“”型>です。この型の“”は述語または述・賓連語の“说话”と“啤酒”のみを否定しています。ゆえに,意味が少々異なります。

※ B文の述語“说话”はいわゆる構文の離合詞です。辞書等では1語としてお使われているので,とすべきか、とすべきか迷っております。

 

上記のAB両文は<前“”型>にも<後“”型>にもなる文でした。ところが,<前“”型>のみ,あるいは<後“”型>のみの文もあります。以下の例Cが前者で,Dが後者です。

C 跟他一块

  D 离学校

どうしてそんな違いがあるのでしょうか。<前“”型>の文は介詞連語と述語VPまたは)とが一体化して,主語の「主観的な意欲」を述べる動態性の叙述になるが,<後“”型>の文は状語の介詞連語の条件下における主語の「客観的な事実」を述べる静態性の叙述になるからだそうです。

Cの述語“”は動作動詞で,動作動詞は動態性なので「主観的な意欲」を述べることになり, Dの述語“”は形容詞で,形容詞は性質や状態を述べる静態性なので「客観的な事実」を述べることになる,そういうことです。

それではどうしてAB文のように「主観的な意欲」を述べる<前“”型>になったり,「客観的な事実」を述べる<後“”型>になったりできるのでしょうか。それは述語の“”“”は動作動詞ですが,賓語の“”“啤酒”と連なると「『話をする」または『ビールを飲む』行為をしたい」という意欲の表現にもなりますが,「『話をしている」または『ビールを飲んでいる』状態にある」という静態性の客観的な事実の叙述にもなるからです。


 ところで,拙著『文法ワールド』の介詞などの例文には“”以外に,“/没有”の例がいくつか出ています。/没有”も“”同様<前“/没有”型>と<後“/没有”型>があるので,理屈は“”と同じかというと,どうもそうではなさそうなので,はたまた疑問にぶつかてしまいました。






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by damao36 | 2017-09-02 09:46 | 中国語 | Comments(0)