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これでいいのか⑯――単文・複文・重文(その2)

 前回の記事「これでいいのか⑮」で、複文と重文の関係を以下のように定義しました。

    「英語の複文(a complexsentence)に該当する中国語文は本書の主従複文で,重文
     (
a compound sentence)に該当する中国語文は本書の対等複文であり,中国語は
     重文という語は用いない。


 ところで、日本語の複文と中国語の複文の関係もこれと同じなのかがが気になりました。

 

 なぜなら、『広辞苑』・『大辞泉』・『新明解 国語辞典』の例に、主従複文・対等複文ではない文があるからです。
   A 誰もが雪が降ると思っている。(『広辞苑』

   B ここは雨の多い地方だ。(『大辞泉』  
   C 何を言われても怒ったことの無いのが、強いて言えば欠点だ『新明解国語辞典』

どうもこのABCは『新明解 国語辞典』の複文説明にある「主語・述語・修飾狗のいずれかの中に、主述の対応を含む」有属文のようです。Aは「雪が降る」が目的格の連用修飾語句、Bは「雨の多い」が連体修飾狗、Cは「何を言われても怒ったことの無いのが」が全文の主語(主部)、「強いて言えば欠点だ」が全文の述語(述部)といえます。

 中国語訳のABC文、A文は(=SVO)型の主述賓語文、B文は型の変則連動文(本則は)、C文は全体は複文で、主部と述部は一種の連動文ではないでしょうか。

A 谁都将要雪。

B 这地方雪很

  C 别人怎样他他仍然没生过气, 硬要说来这点他唯一的缺点。

 ということは、日本語の学校文法などの複文に含まれる有属文は、拙著『日英中 三方攻読 中国語文法ワールド』の中国語複文には含んでいないということになります。


ここでまたまた疑問なのは、単文を『広辞苑』は「主語・述語の関係を一組だけ含む文」、『大辞泉』は「一つの文において、主語・述語の関係が1回だけで成り立っているもの」、『新明解国語辞典』は「一つの文の中に、主語・述語の対応関係が一つしか認められないもの」と定義し、《现汉》は“单句”を“不能分析成两个或两个以上的分句的句子”と説明しているので、中国語の連動文や主述賓語文は単文とは言えない、やはり複文の一種ではないのかということです。

どちらであっても中国語の会話上達には関係ないことですが、会話する機会の少ない環境にある私としてはこんなことに気をまわして、ヒマを潰しております。






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by damao36 | 2017-08-23 09:19 | 中国語 | Comments(0)
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