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208 数詞(2) ―数量詞と序数,そして“2”の発音

 私たちの数字の読み方には数字の基数のみを読む“つぶ読み”と位数までを加えて読む“位読み”とがありました。洋数字は基数のみの数字で、位数は今は3ケタごとに点を打って示します。漢数字はもともと基数と位数とがありますから,点を打つ必要はありません。この「基数+位数」の組み合わせの数字を中国語では数詞(中国語は“数词”shùcí)と呼んでいます。《现代汉语词典》の数詞の説明は以下のとおりです。
  【数词】shùcí表示数目的词。数词连用或者加上别的词,可以表示序数、分数、倍数、
      概数,如‘第一、八成、百分之五、一千倍、十六七、二三十、四十上下’。
      ( 数量を表す語。数詞をつづけて用いたり,別の語を加えて,序数、分数、
       倍数、概数を示すことができる。例えば‘第一、八割、百分の五、千倍、
       十六七、二三十、四十前後’。)

 日本語にも数詞と言う語がありますので,まずは『広辞苑』の説明を挙げておきます。
  すう‐し【数詞】(numeral) 数量を量り、または順序を数えるのに用いる語。前者は
      一・二・三或いは一個・二個・三個の類(基数詞という)、後者は一番・二番・
      三番或いは第一・第二・第三の類(序数詞という)。これを一品詞とみなす説も
      あるが、日本語では特別に扱う必要はなく、名詞の中の一種と見るのが妥当。

 さて,中国語と日本語の数詞,いずれも数量を表す基数詞と,他の語を加えて順序を数える序数詞とがあり,その点は同じですが,違うところもあります。

 違いの一つは,日本語の数詞は「これを一品詞とみなす説もあるが、日本語では特別に扱う必要はなく、名詞の中の一種と見るのが妥当」とあるように,学校文法などでは一品詞としては認められていません。しかし,中国語の数詞は名詞とは異なる点があるということから,独立した品詞になっています。

 もう一つの違いは基数詞の範囲です。『広辞苑』が挙げている基数詞例は「前者は一・二・三或いは一個・二個・三個の類(基数詞という)」とあります。この具体例,中国語なら前半は基数詞ですが,後半の「一個・二個・三個」(“一个、两个、三个”)は具体的な事物の数を表す名詞で,品詞は<数詞+量詞>の合体した連語です。特にこれを数量詞shùliángcíと呼んでいます。
 ※ 数量詞は本当は数・量詞と「・」点を入れて表記したいところだが,一般例に倣う。
 ※ 数量詞の《现代汉语词典》の説明は以下のとおり。
  【数量词】shùliángcí 数词和量词连用时的合称。如‘三本书’的‘三本’,‘一群人’
       的‘一群’,‘去一次’的‘一次’。
      (数詞と量詞を連用したときの名称。例えば‘三冊の本’の‘三冊’,’一群
       の人’の‘一群’,‘一度行く’の‘一度。。)
 ※ 《现代汉语词典》の説明では,数詞は基数詞以外に序数、分数、倍数、概数を挙げて
   いるが,少数や不定数・略数もある。なお,基数詞以外の数詞を品詞に分けると,序
   数の“第一”は<接頭語+数詞>,分数・倍数の“八成”“百分”“一千倍”は<数
   詞+量詞(助数詞)>,概数の“上下”は<数詞+名詞連語>で,いずれも複合語に
   なる。しかし,数量詞のように具体的なものの数量を示すものではないので,名詞と
   はしない。
 ※ 中国語の基数詞は“一~十、十一~一百、一百零一~一千、一千零一~一万、一万零
   一~一億、一億零一~一兆、……,半, 半百,两,廿(niàn), 卅(sà), 么(yāo)”などの
   整数で,物を数えときに用いるである。この基数詞に具体的なものを示す量詞が付
   くと,数量を表す名詞と考える。“第”“头”“初”などの順序を示す接頭語がつく
   と序数詞で数詞の一つだが,“第一课”“头三天”と後に量詞がつくと順序を示す名
   詞と考える。


 それでは序数・分数・小数点・%・倍数・略数・概数の例を挙げておきます。

 序数 物の順序を表す語には数詞と順序名詞とがある。順序名詞は<接頭語+基数詞+量
    詞>の形式外に,接頭語のない形式,例えば年・月・日・曜日や時刻などがある。
 (数詞)  第一 the first (一番目)  初一 the first day(of a lunar month) (初一)
 (順序名詞)第一课(第一課)Lesson One  第二排坐席 the second row of seat (一番目)
       头三天(最初の三日間)the first three days
 ※ 中国語の序数は整数の前に”第~”などの接頭語をつけて表すものと,接頭語のつか
   ないものとがある。接頭語は”第~”のほかに,”头~”、”初”、”末~”、
   ”大~”、”小~”などがあるが,この形式は「接頭語+数詞+量詞/名詞」がふ
   つう。下線部が序数または序数詞で,この序数の最後に量詞や名詞がつづくと接頭語
   は省いてもいい場合もある。

   二○一一年 èr líng yī yī nián (2011年)
    ※ 接頭語のつかないものに年月日と曜日があり,西暦年だけは今はつぶ読みがふつ
      うである。「0」は漢数字だと“零”であるが,今は洋数字のゼロで表記する。
   五月十五日(号) yī (5月15日)
    ※ 月・日は位読みで読m。「日」は文書では日本と同じく数字のあとに「日rì」
      と書くが,口語では“号hào”がふつう。
   星期一xīngqī  yī (5)
    ※ あとは火曜から土曜まで“星期二” “星期三” “星期四” “星期五” “星
      期六”となる。「日曜日」は“星期日xīngqīrì”または“星期天xīngqītiān”。
      なお,曜日はキリスト教の伝来と関係が深いので,“星期”の代わりに“礼
      拜lǐbài”を使う場合も多い。

   2:00  两 点 (钟)     liǎng dian(zhōng)    It is two (o’clock).
   3:05 三 点 零 五 分   sān diǎn líng wǔ fēn
    三 点 过 五 分s  ān diǎn guò wǔ fēn    It is five minutes past three.
   4:15 四 点 十五 分   sì diǎn shíwǔ fēn     It is fifteen minutes past four.
    四 点 一 刻     sì diǎn yí kè       It is a quarter past four.
   5:30 五 点 三十 分    wǔ diǎn sānshí fēn    It is thirty minutes past faive.
    五 点 半      wǔ diǎn bàn       It is half past five.
   6:45 六 点 四十五 分   liù diǎn sìshíwǔ fēn    It is 45 minutes past six..
     六 点 三 刻     liù diǎn sān kè      It is three quarters past six
   7:55 七 点 五十五 分   qī diǎn wǔshíwǔ fēn   It is seven past 55 minutes.
        差 五 分 八 点   chà wǔ fēn bā diǎn    It is 5 minutes to eight.
   ※ 年齢、金額、時刻、時間などは数量詞なのか序数なのかちょっと迷うところで
     ある。中国人は数量詞と考えてる。したがって,一桁の年齢、金額、時刻、時
     間は“两岁”(2歳)、“两块”(2円)、“两点”(2時)、“两小时”
     (2時間)というのがふう。(ともに既述の“两”の用法に従う。)
   ※ 「いま何時ですか。」は“现在 几 点?”( Xiànzài jǐ diǎn? What time is it now?)
     その答えの「いま○○です。」は“ 现在 (是)○ 点。”Xiànzài ×× diǎn. It is
      ××o’clock.)という。
   ※ “上午”“正午”“下午”“早上”“晩上”“半夜”

「2時」を“两点”というところから,これも数量詞にしていると理解されます。ところが,“一点”が数量詞ならyí diǎnと読むはずなのに,yī diǎnと読む人(117の時報も)も少なからず存在します(前者は北京出身者に多いとか)とが存在します。なお,“七点”“八点”も実際に発音するときは第4声に引きずられて,最初を第2声にして発音されがちです。

 分数:  2/5 (五分之二) wǔ fēn zhī èr two-fifths

 小数点: 321.456(三百二十一点四五六) sānbǎi yīshiěr diǎn sì wǔ liù
                  Three thousands twenty-one point foue five six
     (コンマは点diǎnといい、コンマ以下は粒読みする。)qu
※ 小数点以下は“つぶ読み”する。

 %:  97%(百分之九十七) bǎi fēn zhī jiǔshi qī 98 per cent

 概数: 大约一小时的路程 dàyuē yí xiǎoshí de lùchéng 
              It’s about one hour’s joueney.(約1時間の行程である。)
     约有二十人 Yuē yǒu èrshí rén   about twenty people (約20人いる)
     两年左右 liǎng nián zuǒyòu  two years or so (2年前後)
     一米七上下 yì mǐ qī shàngxià  about two metres/two metres or so
                    (1メートル70センチ前後)
     黄金周前后 huángjīnzhōu qiánhòu (ゴールデンウィーク前後)
     二十几个人 èrshí jǐ ge rén   twenty odd people (20何人)
     四个多月 sì ge duō yuè   more than four months/four months and more
                  (4か月あまり)
     五十来岁 wǔshí lái suì   about twenty (years old)(50いくつ)
     七八天  qī bā tiān    a couple of days(7,8日)
     两三天  liǎng sān tiān   a couple of days(2,3日)

 略数: 半小时 bàn xiǎoshí half an hour (半時間)
     一天半 yìtiān bàn  half a day (1日半)
    ※ 上記の例は“半”という語の数詞の例です。“半”はほかに量詞と副詞の用
      法がある。

 倍数: 从来数量的一倍。 Cónglái shùliàng de liǎng bèi.
     从来数量增加一倍。 Cónglái shùliàng zèngjiā yí bèi.」
    ※ 「倍」という漢字の意味は,ある数量を二つ合わせた数量。日本語は倍も2倍
      も同じ。中国語で「いままでの数量が2倍になった」というときは,上記の例の
      どちらかで言う。もし,“从来数量增加两倍。Cónglái shùliàng zèngjiā liǎng
      bèi.”といったら,「いままでの数量が3倍になった」ということになる。


 それでは最後に,基数詞または数量名詞の「2」の部分を“èr(二)”と読んだり,“líng(两)”と読んだりすることについて,まとめておきます。まずは試しに,以下の基数詞を読んでみてください。
    2  èr
   22  èrshí èr
   202  èrbǎi líng èr / liǎngbǎi líng èr
   220  èrbǎi èr(shí) / liǎngbǎi èr(shí)
   222  èrbǎi èrshièr / liǎngbǎi èrshi èr
  2,002   liǎngqiān líng èr
  2,020   liǎngqiān líng èrshí
  2,200   liǎngqiān èr(bǎi)
  2,220  liǎngqiān èrbǎi èr(shí) / liǎngqiān liǎngbǎi èr(shí)
       liǎngqiān èr bǎi èr(shí)
 22,222   liǎngwàn èrqiān èrbǎi èrshí èr
 222,222   èrshí èrwàn liǎngqiān èrbǎi èrshí èr
       èrshí èrwàn liǎngqiān liǎngbǎi èrshí èr
2,222,222 liǎngbǎi èrshí èrwàn liǎngqiān èrbǎi èrshí èr

 上記の読みからわかることを整理しておきます。(異説も多いので,割り切って,私ならこう読むでまとめる。)
1. 1の位と10の位は“líng(两)”は用いず,必ず“èr(二)”を用いる。
2. 100の位は一般的に“èr”を用いるが,時に“líng”も用いる。
3. 1000の位,万の位(亿・兆の位も)最初の「2」は必ず“líng”を用いる。ただし,ケタ
  数の多い数字の場合は最初の位に“líng”は使うが,煩雑になるので,後の「2」は“èr”
  にすることが多い。(ただし,èrqiānは言いにくいので,“línqiān”を用いる。)
4. 万の位以上の数の途中に「2」があると,例えば「~亿2000万」「~亿200万」なら
  “líng”を用いる。しかし,「~千~百20万」「~千~百22万」の場合は1.と同じで,
  必ず“èr”を用いる。
 ※ 日本語でも「4」を「ヨン」,「7」を「ナナ」と発音したりする。基本的にはそれと
   同じであろう。あとにつづく語との相性とか明確さとかいうところから,“líng”を用
   いるようになったと推測する。

 上記の数字は基数詞を“位読み”した場合でした。数字を“つぶ読み”する場合には“ling”は用いず,すべて“èr”と発音します。また,数詞の中の序数詞や小数・分数・%も“ling”は用いず,“èr”と発音します。

 以上は基数詞についての“líng(两)”の用い方でしたが,<数詞+量詞>からなる数量名詞の場合にも“líng(两)”は良く用いられ,その用法は基数詞とは多少異なるので,以下にまとめておきます。

5. ヒト桁の数に量詞がつくときは“liǎng两”と言う。
   两岁 liǎng suì(2歳) 两块 liǎng kuài(2円)
   两点 liǎng diǎn(2時) 两小时 liǎng xiǎoshí(2時間)
   两本书liǎng ben shū(2冊の本) 两个苹果liǎng ge pínguǒ (りんご2個)
6. フタ桁以上の数のヒト桁とフタ桁の「2」は“liǎng两”とは言わない。
   22こ   ○èr shí èr ge(二十二个 ×liǎng sí liǎng ge ( 两十两个)
7. 中国旧来の度量衡の単位には“二”と“两”両方が用いられるが,外来の新度量衡の場
  合はおおむね“两”が用いられる。
   两尺/二尺liǎng chǐ / èr chǐ(2尺 ) 两斤/二斤liǎng jīn / èr jīn(2斤)
两米 liǎng mǐ(2メートル) 两吨 liǎng dùn(2トン)
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by damao36 | 2012-02-18 21:16 | 中国語文法 | Comments(0)

207 数詞(1)―基数と位数,そして“1”の発音

 わが国固有の数字の読み方は「ひ、ふ、み、よ、いつ、む、……」であり,日にちは「ついたち、ふつか、……、とおか,……はた あまり なぬか、……」,年齢は「とお、はた、みそぢ、よそぢ、……ももち、」でした。しかし今はそんなふうに言うことはなく,中国漢字音からきた「イチ、ニイ、サン、シ、ゴ、ロク……」という漢字音による読み方がふつうです。

 このように中国から伝わった漢数字を漢字音を取り入れてそのまま棒読みにしたということは,数字の読み方,つまり数量の表し方も,細かい点での違いはありますが,基本的には中国語の数量の表し方に倣ったということでもあります。

 横書きが主になった現在,日本でも中国でも数量を表す数字は洋数字(アラビア数字)を用いることが多くなってきました。ところで,この洋数字と漢数字には基本的に違うところがあります。

洋数字による数表記は,「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」という10個の数字(基数)の組み合わせです。ところが,私たち漢字文化圏で用いる漢数字というのは,厳密に言うと基数(系数とも)と位数の,2種類の文字の組み合わせなのです。

 基数(系数) 基礎として用いる数。十進法では0から9までの整数。
       ling    yī      èr     sān     sì     wǔ      liù     qī      bā     jiǔ
       零  一   二  三   四  五   六  七   八  九
    0   1   2   3   4   5   6   7   8   9


 位数  十進法での数の段階(位取り)を示す数詞。
      gè   shí  bǎi   qiān    wàn        yì           zhào        jīng
    (个) 十 百  千   万    亿      兆     京
       1    10  100   1000  1,0000  1,0000,0000 1,0000,0000,0000  兆×1,0000

  ※ 洋数字には位(くらい)を表す位数はないが,“つぶ読み”以外で読むときは必ず
    位数を加える。英語で「百」の位をhundred,「千」をthousand,「百万」をmillion,
    「億をはtrillionというのがそれである。英語は1,000以下は10進法だが,1,000を
    超えると1,000進法になる。したがって,3ケタごとに点を打って位を示す。
  ※ 日本語と中国語は“万”以下は10進法だが,“万”を越えると万進法になる。上記
    の数字でわかるように,“万”までは0が1つずつ増えているが,“万”を越える
    と0が4つずつ増えている。そのため,前世紀前半ごろまでは,漢字文化圏では上
    記のように4ケタごとに点を打っていた。しかし,今は欧米流に倣い,3ケタごと
    に点を打つので,慣れないと位読みは難しくなている。“中国語で亿”(億)を“万万”
    ともいのは“亿”は1,0000×1,0000だからだ。なお,リーマンショックで“京”
    という位数もお目にかかった。『大辞泉』では「兆の一万倍。10×16乗。古くは兆
    の一万10倍とも」と説明されている。しかし,《汉英大辞典》では「(①古代数
    目名,指一千万)ten million(an ancient numeral)(②千兆;十亿;10×9乗)giga」
    と書かれている。実際はどちらなのであろか。


 私たちの数の数え方は基数と位数の組み合わせであるということを,私たちはあまり意識しません。しかし,漢数字の“十”が位数を表す証左として,中国語では「10」という数字を漢数字で表記するとき,今でも“一十”(yì shí)と書いたりします。「11」や「19」も“一十一”(yì shí yī), “一十九”(yì shí jiǔ)と発音することもあります。ただ,いちいち基数の“一”を言わなくてもまぎれることが少ないので,省略されることがふつうになっているのです。

 また,日本語では“百”の位も“千”の位も“十”同様に基数の“一”を省いて用いています。しかし,現代中国語では必ず“一百~”(yì bǎi),“一千~”(yìqiān)と基数の“一”を省くことはありません。日本語の発音では省いてもバランスがとれますが,一語一音節の中国語は“一”を省くと不安定になります。そのせいでしょうか。そういえば,日本語でも「万」以上になると,必ずイチマンとかイチオクといい,「一」を付けて読んでいます。

 それでは,ひと桁の“一”から“九”までの数詞には位数はないのかというと,そうではありません。必要ならその名詞に固有の量詞を付けます。日本語は「個」,中国語は“个” geなどです。


 また,発音構造の違いからでしょうか,位数の省略の仕方に日本語と中国語では違いが見られましたが,「ゼロ/零líng」(洋数字は○)の省き方にも違いがあります。

 例えば「301」という数字,日本語ではふつう「サンビャクイチ」と読み,漢数字では “三百一”と書くことになります。しかし,中国語では「301」は,必ず“三百零一”と書き,sān bǎi líng yīと発音します。 “三百一”だとsān bǎi yīと読み,“三百一十” (sān bǎi yī shí)の省略形,つまり“310”だと理解されます。「10」は“一十”だという意識が中国人には定着しているからでしょうか。

 さらに数字の中にゼロが複数つづいたときに,日本語とは違う読み方が見られます。

 例えばある品物の値段が1005円だったとすると,日本語では「センゴエン」と言い,聞く人は「千円と(飛んで)5円だ」と理解します。中国語でも“一千五块”(yìqiān wǔ kuài)と,しっかり単位をつけて言ってくれると,日本語t同じ1005円になるのですが,中国語ネイティブはしばしば単位は飛ばして金額の数字だけを言う習慣があります。ですから,1005円は「センゴエン」でいいのだからと,「円」だけを省いて“一千五yìqiān wǔ”というと“一千五百yìqiān wǔ bǎi”になってしまいます。数字だけを言うときは必ず“一千零零五”(yìqiān línglíng wǔ)と言ってください。なお,“一千零五”(yìqiān líng wǔ yì)でもかまいません。

 さて,私たちの数の数え方には基数と位数の組み合わせで読む“位読み”と,基数だけを読む“つぶ読み”(棒読み)とがあります。“つぶ読み”するものに年号や部屋番号,電話番号などがありますので,“つぶ読み”の注意点を述べておきます。
  年   号  2001年(èr ling ling yī niáo)
  部屋番号  7103号(qī yāo ling sān hào)
  電話番号  7654 3210(qī liù wǔ sì sān èr yāo líng)
   ※ 年号の“1”はyīと発音するが,数字が並んでいる電話番号などの場合 は,“1”を聞き間違わないように
      yāoと発音するのがふつう。したがって,“110”はyāo yāo líng,“119”はyāo yāo jiǔという。


 それでは今までのことを頭に置きながら、以下の数字を“つぶ読み”ではなく,“位読み”で読んでみましょう。

   101(一百零一)     yìbǎi líng yī
  110(一百一十)    yìbǎi yī(shí)
  111(一百一十一)   yìbǎi yīshiyī
 1,001(一千零零一)    yìqiān líng yī
 1,010(一千零一十)   yìqiān líng yī(shì)
 1,100(一千一百)    yìqiān yì(bǎi)
 1,110(一千一百一十)  yìqiān yìbǎi yī(shì)
11,001(一万一千零一)  yìwàn yìqiān líng yī 
      
  ※ 「110」が「110个」と量詞がついているとshíの省略はできない。
  ※ 最後の例のように途中にゼロが複数つづくときは1つでもよい。

 初学者は“0”língをどう読むかということと,“1” yīの発音にきっととまどわれたことでしょう。特に“1” yīは本来は第1声であるのに,「第1・2・3声が続くときは第4声に」,「第4声が続くときは第1声に」声調変化する数少ない語ですから。(連音による声調変化は“1”以外は否定の”不“だけです。)
  ≪参考≫“一”の連音による声調の変化の法則 
  1 第1声,第2声,第3声が続くときは,第4声になる。   
     一天 ×yītiān →○yìtiān  一年 ×yīnián →○yìnián   一百 ×yībǎi →○yìbǎi
  2 第4声が続くときは,第2声になる。(4声になりたいが、2声で我慢。相原茂氏
    はこれを「やせ我慢の法則」と名づけている。)
     一万 ×yīwàn →○yíwàn 一个 ×yīgè →○yígè
  3 序数を表す場合は,一般に声調変化しない。ただし,後に第4声が続くとき,変調
    することもある。 
     第一次 dìyīcì  一月一号 yīyuè yīhào   第一课 dìyīkè
  4 動詞の重ね型の間にある「一」は軽声になる。   
     看一看 kàn yi kàn 尝一尝cháng yi cháng
       ※ <閑話休題>の答え yí wàn yì qián yì bǎi yī shí yī

 中国語の発音は英語のように発音が縮まるということはなく,どんなに急いで発音しても漢字のもつ固有の声調をくずさないのが原則です。しかし,どの言語もそうであるように,中国語も発音のしやすさという観点から,①連音による変化と②軽声化という2つの声調変化があります。①の連音による変化はなぜか「不」と「一」という二文字にのみ起こる現象です。

 この“一”の連音による変化の原則が上表の1,2,3です。(4は②に該当)

 上記数字の例で,「101(一百零一)」から「1,101(一千一百零一)」までの“百”と“千”の前の“一”の発音,本来の第1声のyīではなくて第4声のyìとになっているのは,原則1に該当するからです。

 「11,101(一万一千一百零一)」の“万”の前の“一”が第2声のyíとになっているのは,原則2に該当するからです。

 上記の全数字の一桁の「1」(一)の発音は, “一”の本来の音である第1声のyīです。それは原則1、2に該当しないからです。

 また,「10」という数字を“一十”と“一”を加えて読んだときの“一”の発音,それは本来の第1声yīで読みます。“一十”の“十”は第2声ですから,原則1でいいはずですが, “一”を加えて読むということはわざわざ強調して読んでいるわけですから,フオーマルに読むのでしょう。


<閑話休題> 腕試しに、以下の数字の“一”(yi)に声調記号をつけてみましょう。(答えは前頁の≪参考≫欄の最後。)
      一万一千一百一十一    (11,111)
    yi wan yi qian yi bai yi shi yi

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by damao36 | 2012-02-05 22:06 | 中国語文法 | Comments(0)