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チャン監督、オリンピック開会式を語る―『王妃の紋章』を見て

一昔前の中国映画というと『白毛女』あたりが、オペラ風で歌曲が印象に残っていますが、虐げられた人が復讐するといった階級闘争思想で、いつもワンパターンでした。しかし、近ごろの日本で公開される中国映画はイデオロギー的ではなく、人間主義とでもいうのでしょうか、矛盾に満ちた人の姿が描かれ、各映画祭でも高い評価を受けている作品が多いようです。

昨日、上映は30日までということでしたので、オリンピック開会式、閉会式の総合演出を担当するチャン・イーモウ監督の『王妃の紋章』(原題:滿城盡帶黄金甲, 英題:Curse of the Golden Flower)を見てきました。
http://www.flipclip.net/clips/cinemapia/645b9db35c9c01586aafcef98866ad50

チャン・イーモウ(張藝謀)監督といえば、現代中国映画を代表する監督でしょう。87年の『古井戸』で主演を演じ、87年の『紅いコーリャン』で監督デビュー。その後『菊豆』、『上海ルージュ』、『あの子を探して』、『単騎、千里を行く』などヒューマンドラマを手がけていました。しかし、近年は『HERO』とか『LOVERS』といった娯楽超大作を立て続けに手掛け、エンターテインメントの分野でも力を発揮しています。実をいうと、私は近年の『HERO』とか『LOVERS』といった娯楽超大作は豪華だなあと感心する場面はありますが、貧しい中国の現実を描いたヒューマンドラマの方がすなおに感動できるのです。

ですから、この『滿城盡帶黄金甲』という原題からして、近年のエンターテインメント・ドラマのキンキラキンな感じがするので、内容には期待していませんでした。

この映画の時代背景は五代十国の後唐のころで、以下のあらすじです。

王は対抗する相手との戦いに勝利して王城に戻ってきますが、もともと王との関係がうまくいっていない王妃は早くから皇太子と密通していました。それをこれもまた早くから知っていた国王は、寒心症を治す薬だといって、侍医にトリカブトを入れた薬を、王妃の健康を慮ってということで、王の命令として飲ませます。徐々に健康を損なう王妃は、その原因が王の差し金で調合させた薬であることを掴み、重陽の節供の宴会で、王を亡き者にしようと謀反を計画します。しかし、それもまた王の知るところとなります。

王にはそれぞれ別腹に生ませた王子が3人います。長男の皇太子は名目上は母である王妃と不義の関係にあることが露見することをおそれ、板ばさみに苦しみます。中華圏で人気の歌手ジェイ・チョウ(周傑倫)が次男を演じているのですが、この武術にたけた次男の王子は、やはり父との間で苦しみますが、最終的には実母である王妃に同情し、負ける戦であることは覚悟の上で謀反軍の指揮をとります。3男の王子はまだ成人に達していない少年ですが、兄皇太子の不義を知り、王家のいざこざ感じ取り、これを機に父に認めてもらおうと、王や王妃や兄たちが節句の宴会でごたごたしている中で、兄皇太子を刺殺してしまいます。こうして王家一家の崩壊は本格化していきます。この王家一家、王だけは生き残ります。



不幸な結婚という束縛から逃れ、好きな人と自由に生きようとする女、プライドを傷つけられ、腹いせに毒を入れてじわじわと苦しめることに快感を見出している男、一体いづれが正義なのでしょうか。人は常に矛盾と分の中に生き、それを超えることはむずかしい。そして一番あくどいものがしぶとく生き残る。悲劇こそがこの世の現実・・・。監督は直感で、そのようなことがいいたかったのではないでしょうか。

まあ、こうした大スペクタル映画、もともと私は趣味が合わないのか、内容に感動することはないのですが、この映画のセットの豪華さ、絢爛さはすごいなあと感じました。インタビューの中で監督は「スタッフは千数百人、出演者は数万人」と語っていました。私がわざわざ映画を見に行くのは中国語の勉強だと思うからで、したがって日本やハリウッドのスペクタル映画の名作・大作、まったく見ていないのです。せいぜいNHKの大河ドラマをときどき見るくらいなのです。きっと、だからなのでしょう。大勢の人を動かす場面に単純におどろき、キンピカピカのセットに思わず感嘆してしまうのです。


ところで、この王家の崩壊の最後の方の場面、黄金の甲鎧軍と銀色の甲鎧軍との、数千数万人のせめぎあい、それと、サッ、サッ、サッ、サッ……という軍団の足音、とっても象徴的に感じたのです。

こんどのオリンピック聖火リレー、油をまいて火をつけてまわる聖火リレー、雪山獅子旗・抗議軍団と五星紅旗・支援軍団とのせめぎあい。そういう場面のイメージが強烈に脳裏に残ってしまいました。サッ、サッ、サッ、サッ……という軍団の足音、一体どっちの方向に進んでいくのでしょうか。



それでは、監督チャン・イーモウと主演のジェイ・チョウのインタビューをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=ms5rP97gg9s

インタビューの中でチャン・イーモウ監督はオリンピックについて、このように語っています。

「2008年は我々にとり、実に意味深い年です。オリンピックを目の前に控えていますから。ぜひみなさんにオリンピックの開会式を見ていただきたいです。期待に背かないようなものにして、驚きと喜びを感じてもらえたらと思います」


大スペクタル映画を近年立て続けに制作してきたチャン監督、一体どのような開会式、閉会式を演出しようとしているのでしょうか。


≪追記≫
この映画の原題「滿城盡帶黄金甲」は、晩唐の黄巢という人の七言絶句から取られたとのことです。科挙の試験に落ちた黄巢は、その口惜しさを「不第後賦菊」という題で以下のように詠んでいます。

  待到秋來九月八     秋の来たるを待ちて到る 九月の八(日)

  我花開後百花殺     我は菊花の開きし後に、(幾)百の花を(ちぎり)殺さん

  衝天香陣透長安    天をも衝く(菊花の)香り(一)陣 (やがて)長安を(つき)透して

  満城尽帯黄金甲     満城ことごとく帯ぶることならん 黄金の甲(冑)を
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by damao36 | 2008-04-29 16:10 | 中国語 | Comments(0)

NHK「激流中国 富人と農民工」を見て 

前回NHK「激流中国 チベット 聖地に富を求めて」をYou Tubeからアップし、≪追記≫として「富人と農民工」をも添付しておきました。しかし、中国指導者の最大の課題は13億の民をいかに食べさせるかであり、そのために「先に富める者から富む」政策がとられ、今はそこから生じた経済格差の解消に相違ないと感じ、この「富人と農民工」、考えさせる番組だと思うので、改めてアップすることにしました。

昨年4月1日の放送だったとのことですが、私はネットではじめて知りました。まだな方、まずはご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=ZgMSDCeGJIQ


「1日に1億円を稼ぎ出す」、「いま中国では1年に100人を超す億万長者が生まれている」という富裕層が存在する一方で、春節のときしか親子がいっしょに暮らせない多数の農民工が存在している、それが今の中国の大きな矛盾なのでしょう。


私がこの番組で泣かされたのは、「我的理想」という題で書かされた作文を読む場面でした。どの子も「パパ、ママ」のことを思い、女の子が涙声になって読むと、他の子どもたちも泣き出してしまう、その場面です。あの子どもたち、決して演技でも、やらせでもないはずです。あの子達の思いに、泣けてしまいました。



見終わっての感想、さらに3つ挙げておきます。

まず、あの農民工たち、いまは仕事にありつけない日があり、仕事の奪い合いの状況だと語っていました。もしそうなら、オリンピックが終わったあとは、さらに厳しくなるのではないでしょうか。そのときはどうなるのでしょうか。

今回の北京オリンピックは中国の国威発揚の場だとよくいわれます。しかし、果たしてそれが一番なのでしょうか。経済効果、貧しい地域の人たちに出稼ぎの場を与える、そういう実質的な意味の方がもっと大きかったのではではないでしょうか。先進国なら国威発揚の余裕もあるでしょうが、後進国にそんな見えをはるゆとりがあるでしょうか。


二つ目は、あの農民工たち、わりとふっくらしているということです。戦後の私たちのように栄養不良には見えませんでした。子どもたちも1日2食で、おかずは漬物という割には、やはりふつくらし、戦前のシナ人やマン人のように襟首も垢でまっ黒、寝る前にはまずは衣服のシラミを爪が赤くなるほど殲滅する、そんなふうには見えませんでした。

農民工の出稼ぎの理由ですが、1人は娘を上級学校に進学させるため、もう1人は子どもの腕の骨折手術のためでした。けっして食べるためだけはありませんでした。食べるだけなら、今の中国、地方でも何とかなるのでしょうか。食べることだけは、みんなしっかり食べているのでしょうか。


3つ目です。それは今回のチベット騒乱を契機に、あの億万長者たち、中国社会の勝ち組の人たち、このような格差社会では自分も危ないと気づき、何千万円もの高級車を買うほどお金が余っているのですから、そうしたお金を進んで供出するようにしたらどうか、ということでした。でなければもともこもない、そこに果たして気づくかどうか、でしょう。



なお、この番組に中国語の字幕をつけて、You Tubeにアップしたのは、NHKなのでしょうか。

どうも違うように思えます。番組の最後に法輪功・大紀元の反中共CMみたいなのが付いていたりします。中国でYou Tube自由に見られるのかわかりませんが、中国の現実のひどさをそこに住む人たちに知ってもらいたい、そういう意図でアップしている、そういう感じでした。

                                (“国境なきブロガー”自称初代代表 ネズミ)
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by damao36 | 2008-04-26 14:21 | 中国語 | Comments(0)

NHK「激流中国 チベット 聖地に富を求めて」

4月10日サンフランシスコでの聖火リレーのときの「とくダネ!」で、キャスターの小倉智昭さん、こんなことをおっしゃっていました。
http://www.youtube.com/watch?v=G5aRgTkPuro
「チベット地域はチベット民族のものだし、だれが考えたって、中国の一部と認める人はいないのでは①。チベット民族は言葉を奪われ②、名前を変えられ③、結婚問題にしたって、中国男性とチベット女性の結婚は認められるけれど、チベット女性と中国男性との結婚は認められない⑤」云々。

小倉さん、別にこうした問題の専門家ではないのですから、不正確なのは仕様がないのでしょうが、おそらくこうした認識が一般日本人の認識なのではないのでしょうか。

ダライラマ十四世も独立とは言わず、高度な自治をといっています。「チベットに自由を!」という声は大きいですが、「独立」を求めているのは過激派のチベット独立派青年会議とその支援者たちでしょう。国際法からは中国がチベットを自分の領土と主張することは違法ではないはずです。だから、どこの国も「ダライラマ十四世と直接話し合いを」といっても、「侵略はやめよ。独立を認めよ」とは、福田首相はもとより、ブッシュ大統領もサルコジ大統領もいわないのです。

②と③なのですが、本当でしょうか。かつての日本が朝鮮半島や台湾で行ったことと混同しているのではないでしょうか。④についてはわかりませんが、そんな法律でもあるというのでしょうか。

ところで、NHKのスペシャル番組「激流中国」で、チベット問題を放映しているのを見て、漢族の傲慢な態度に、これで大丈夫かと思ったことがあり、もう一度その番組を見たいと思っていたところ、You Tubeに「チベット 聖地に富を求めて」としてアップされていました。

まずはご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=iP_pixSRozM


漢族のホテル経営者がホテルのロビーに仏像などを集めてチベット文化の博物館代わりにしている。ゆくゆくはお坊さんの読経の様子をショウーに見立てて、観光客に見てもらおうと企画する。従業員の給料を突然ABCと3段階に勤務評定し、Cに評定された人は月2万円だったのを1万2千円にしてしまう。なんとも強引なやり方で、びっくりです。

でも、です。こんなところを平気で撮影させるというのは、ある意味、見上げたものです。 このやり手の経営者、いまごろどのように反省しているのでしょうか。 (この「激流中国」シリーズ、どの番組もいつもびっくりというか、考えさせられるものばかりです。)

宗教の自由もないと言われると、私はすぐ江戸時代の隠れ切支丹や隠れ念仏を思い出し、チベットの人たちもチベット仏教をあのように隠れて信仰しているのかと思ってしまうのですが、この映像や以前に見た「中国鉄道大紀行」など、チベットの人たちは白昼堂々と五体投地をしています。ダライラマ十四世は中国から見たら反体制派の象徴ですから、体制側はその写真を飾るのを禁止するのはある意味当然でしょう。

このチベット問題、欧米先進国の、なんとかここで強大国になりつある中国を一気に崩壊させたいと願っている人たちが、チベット問題は宗教の自由と人権の問題だとことさらに強調し、そうした人たちの願望と国内にいるチベット族の不満、主として大量に移住してくる成り金漢族への不満・反感、その二つが結びついて、オリンピック開催のこの時期に暴発した、あるいは暴発させた、それが真相に近いのでは、近ごろ私はそのように思うのです。


≪蛇足≫
激流中国 富人と農民工」、この番組も中国社会の経済格差の深刻さ、考えさせられます。子どもたちの姿に、私は泣けてくるのです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZgMSDCeGJIQ
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by damao36 | 2008-04-24 10:19 | 中国語 | Comments(0)

福島香織訳詞「做人別太CNN」

産経新聞北京特派員の福島香織さんの【記者ブログ】に“CNNになりすぎないで“はもう聴いた?”というのがありました。http://sankei.jp.msn.com/world/china/080421/chn0804210143012-n1.htm

訳がついていました。

この慕容萱 の《做人別太CNN》(DON'T BEHAVE LIKE CNN)という”名曲”、中国語と英語の勉強もかねて、何度も聴いてみましょうか。
<http://www.youtube.com/watch?v=e_4IQsAiJdw(英文版)
http://www.youtube.com/watch?v=SdT-wqndPAY&feature=related(中文版)


ある夜、ネットで突然一枚の写真が目についた。
那天上網猛然看見了一張照片,
I came across shocking photo while surfing the Internet recently,

チベットでの打ち壊し事件のことが書かれていた。
描過的是發生在西藏的打za事件。
which depicts the Lhaso, CNN claims that it was reporting the truth.

CNNは固く誓う、真実はすべてここにある
CNN信誓旦旦,一切真相都在這裡面,
CNN claims that it was reporting the truth.

でも、私はだんだんわかってきた、これはうそだと。
而我漸見卻發現,這竟是欺騙。
but I slowly realized that it was a load of lies

世の中が、青海原が桑畑になるほどに、変遷しようとも、
不管世事如何變遷滄海變桑田,
No matter how the world changes,

周さんの(華)南トラ(の捏造写真)と同じように、いやなこと
周老虎和這樣的照片,我一樣的討厭,
I hate both Tiger Zhou and these fabricated photos.

千回うそを繰り返し、ウソを箴言に変えるようなことはしないで
不要以為重複千遍,謊話就會成箴言。
You can’t turn a lie into truth even if you repeat 1000 times.

闇夜がくれた私の黒い瞳、この瞳で私は光をさがそう
黑夜給了我黑色眼睛,我卻用它找光明。
The dark night provided me a pair of black eyes, I make use of them to seek brightness.


何を苦しんで知恵を絞ってウソを本当にしようとするの、ぜったいにCNNにならないで
何苦挖空心思, 想要弄假成真, 做人別太CNN。
Why bother fabricating les and attempt to make them real, Don’t behave like CNN.

(台湾スターの)周傑倫を(超女の)李宇春にすることなんて不可能じゃない?
你怎麼可能,(讓)周傑倫變成李宇春?
How could you turn Jay Chow into Chris Lee?

何を苦しんで知恵を絞ってウソを本当にしようとするの、ぜったいにCNNにならないで
何苦挖空心思, 想要弄假成真, 做人別太CNN。
Why bother fabricating les and attempt to make them real, Don’t behave like CNN.

私はむしろ、ただ天真爛漫なおバカなあなたでいてほしいの
我寧願你們,只是很sha很天真。
I'd rather assome you are very foolish and naive.

私はむしろ、ただ天真爛漫なおバカなあなたでいてほしいの
我寧願你們,只是很sha很天真。
I'd rather assome you are very foolish and naive.





                               (トライ・リンガルを目指している 語学オタクの ネズミ)

≪追記≫
「周老虎」については、下記をご覧ください。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080326/151339/
「周傑倫」については、下記。
http://www.youtube.com/watch?v=QuqJJKzuBVM&feature=related
「李宇春」は、下記。
http://www.youtube.com/watch?v=cFoLfcJl9WU
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by damao36 | 2008-04-21 21:46 | 中国語 | Comments(0)

中国反CNNソング聴いてみよう

米CNNのコメンテーターが「中国人は悪党だ。中国商品はゴミだ。」と、私たちもついつい言いたくなることをいってしまって、中国に攻撃材料を与えてしまったみたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=8DL0oBQti6Y&feature=related


慕容萱という女性がこのことを題材に早速作詞・作曲して歌い、ウェブ上で発表して、注目を集めているとか。

題は「做人別太CNN」で、その意味は「CNNのような人間には絶対なるな」でしょうか。(中文版と英文版があります。)

You Tubeにその動画がありましたので、日本人として、ときには中国人にもなって、聴いてみましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=SdT-wqndPAY&feature=related


柳眉を逆立てて、ヒステリックに攻撃、はたまた下品な罵詈雑言、悪ふざけて揶揄か、と思いましたが、映像はさておき、意外にさめてまともですね。

また、CCTVの「東方時空」などでも大きく取り上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=0Kn32gGJ2yY
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by damao36 | 2008-04-18 21:13 | 中国語 | Comments(0)

中国、いつまで聖火リレーつづけるのだろう

あの青服護衛隊付きの「聖火リレー」、中国はいつまでつづけるつもりなのでしょうか。

ロンドン、パリ、サンプランシスコと欧米3か国が終わったから、今後はそれほどのことはないのかという気もしますが、この3カ国だけみていると、私を含めたブロガーたちの興奮ぶりをみていると、どうして中国は、あるいはIOCはわざわざ油をまいて火をつけてまわる、あのような聖火リレーを意地になってつづけるのか、と思ってしまいます。はやく止めた方が中国にとっても、IOCにとっても身のためではないでしょうか。

世界の先進国3国であのような抗議が行われ、その結果、多くの人たちが、多くの国がチベット問題について理解し支持できたことは確かにいいことですが、でもあのような抗議方式が当然だと認定されてしまうと、今後はたしてどれだけの国が安心してオリンピックを開催できるのか、心配性の私はとっても不安になってきました。


例えば次のロンドンです。どんな国内問題があるのか、その原因はもう忘れてしまいましたが、ここ数年、どこからか移民して帰化した青年による地下鉄自爆事件が2回も起こりました。また、北アイルランド紛争というのがありました。いまは平静のようですが、調べてみるとアイルランド島北東部のイギリス領6州、アイルランド政府はまだ領有権をあきらめてはいないみたいです。IRAとかいう過激派がいましたが、またあばれる心配はないのでしょうか。

その次はロシアですね。ここもまた中国と同じくらい大変です。チェチェンの人たちがチベットの人たちと同じように「Free!Free!」と、いや、「Independence!Independence!」と叫ぶはずです。良心に目覚めた世界の人たちはチェチェン人の人権を無視するプーチン政権の開くオリンピックなんかを支持する気持ちには、とてもなれないでしょう。

それなら民主主義と自由の本家アメリカは大丈夫でしょうか。残念ながら、一番危ない感じもします。9.11という世にも恐ろしいテロ攻撃を受け、テロとの戦いが続いています。2008年のオリンピックが北京ではなくて、アメリカのどこかで開かれるとしたら、聖火リレーの列にアラブ人の自爆テロが実行されたかもしれません。もしそうなら、野次馬として聖火リレーや抗議デモを見物に行くのさえも、命がけです。

だからでしょうか。ブッシュさん、だれがなんといおうと、どうも北京オリンピック開会式には出席するようです。ここはしっかり胡錦涛さんと連帯して、ここで中国にふんばってもらわないと後があぶない、きっとプーチンさんともども、いまはそんな心境ではないのでしょうか。

ならば、平和憲法下のTokyoなら大丈夫でしょうか。まあ、抗議してくるのは慰安婦問題とか、強制労働問題とか、歴史問題とかでの、反日国家のシナ人とコリアンぐらいでしょうか。ひょっとしてシーシエパードの捕鯨反対白人白痴グループがそれに加わる、その程度でしょうか。


いまや、”世界は一つ”、”平和と友情の祭典”なんてきれいごとを並べているオリンピックは、大国の国威発揚とグローバル企業の商業主義のまやかしイベントということが暴露されてきております。あの中国聖火リレーはまもなく中止となり、・・・・・・さて、その後はどうなるのか。無邪気によろこんでいればいいのでしょうか。

人類の明るい未来が展望できるといいですね。

     (人間も穴を掘って必要なときだけ顔を出す私たちに倣うべきだと信じている ネズミ)
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by damao36 | 2008-04-13 14:57 | 中国語 | Comments(0)

餃子事件、中国人の言い分、そして悪夢

このところ“毒”餃子事件はあまり話題にのぼらず、中国といえば今はチベット問題、聖火リレーの話題で騒然です。

ところで、先日、日本で発行されている華人向け中国語新聞『中文導報』3月6日付けの記事に餃子問題についての社説のような記事をみつけたので、読んでみることにしました。そのタイトルは「拒絶餃子事件因噎廢食」です。

まず書き出しですが、その要約はおおよそ以下の通りです。

「中国公安部と日本警察庁がそれぞれ自国での毒物混入の可能性は極めて低いという見解を発表したので、論争対立の雰囲気になり、水掛け論(公説公有理,婆説婆有理)の膠着状況となり、事件発生1ヶ月たっても、真相はうやむやで、中日関係に影響を与えている。」

そういう状態に至った原因として、以下の3点を挙げています。(訳は同じく要約です。)

①共同捜査の協議は行ったけれども、情報の共有化がなされていないこと。
②システムではなく、人為による薬物混入ではとなったときに、双方が「誤り己にあらず」(錯不在己)の立場に立ってしまったこと。
③日本のメディアが大げさに取り上げ、数人の身の上に起こったことを全国民の出来事にまで広げてしまったこと。


どうもいいたいことは①と②ではなくて、③の日本のメディアの取り上げ方のほうで、もっと根本をとらえて報道してほしいという論調だと私の語学力では受け取りました。


ところで、そのタイトル「拒絶餃子事件因噎廢食」の意味なのですが、迷ったのは「拒絶」(拒む)という動詞の目的語を「餃子」と取るか、「餃子事件」と取るかで、私は結局前者と考え、「(今度の餃子事件で日本人が)中国の冷凍餃子をはじめ一切の中国製品を拒んだ出来事」と前半をとらえたのでした。後半の「因噎廢食」は四字熟語としてたいていの辞書にのっており、その部分は「(そのような日本人の行為はまるで)のどにモノを詰まらせた人がそれからあとは、生きるのに欠かせない食事行為をすら止めてしまった、(それと同じ)」と解したのでした。


中国人は複雑な内容を漢字を並べて短くうまく表現するものだと表現にはほとほと感心したのですが、もし私の解釈が正しいのなら、日本人としてはまことに腹立たしく、「盗人たけだけしいとはこのこと」と叫びたくなりました。


さて、この文の結びの部分、私の訳ではこうなってしまいました。

「現在は中国や日本だけでなく全世界が転換期に直面しているのだが、その中で日本の政治は依然として内向きの混迷の中にあり、日本のメディアは木を見て森を見ない視野に慣れ、日常の小さなできごとを大げさに伝えて、世界の発展の大きな流れを把握できないでいる。人々の生活上の問題は確かに重要である。しかし、その生活上の問題は選挙の切り札にもなり、政争の道具にもなり、また対外に向けての砲弾にもなる。“餃子事件”と人々の生活上の問題は互いにかかわりがあるけれども、生活問題だけに限られるものではない。中国と日本との関係、中国と日本との協同作業の過程の中で、これまでも小事のために大事を見失ったり、やるべきことを放棄してしまった前例が日本にはあるので、この“餃子事件”をそうした過去の誤りの繰り返しにならないようにしてほしいものである。」(今天,在中国、日本,乃至全球都面臨轉折的時刻,日本的政治依然處於内視性的混亂之中,日本的媒體視野已經習慣了見木不見林,只會轟炸日常發生的身邊小事,而把握不了世界發展的大勢。民生確實很重要,但民生也容易成為一塊選舉的招牌,成為一个政争的幌子,成為一顆對外的炮彈。“餃子事件”與民生相關,却又不惟民生所限。在中日關係和中日合作的過程中,日本曾有不少因小失大、因噎废食的前例,希望“餃子事件”不至于成為这眾陋習的最新延續;。)

訳に自信がないから細かな詮索はしないことにしますが、でも、「お前にいわれたくない」、そういう思いですね。

また、どこかのテレビでも問題になった「炒作」という単語もこの論文に使われています。中華料理で中華なべから火炎をあげながら高熱で料理をする、それを「「」というのでしょうか。日本のテレビ報道、中国人が見たらきっとそのように映るのでしょう。



それにしても中国公安部と日本警察庁の農薬浸透の実験結果、どちらが本当に正しいのでしょうか。

日本人は毒物まで平気で入れる感覚はないと信じていますが、社保庁役人の年金記載遺漏事件とか、いろいろと日本人の偽装事件も絶えないので、残念ながら今は日本側の実験結果が絶対に正しいのだと確信をもって信じられないでいるのです。

手でさわったらベタベタしていたので返品したというお店もあったようです。ほとぼりが醒めたころに、警察庁のトップが3人並んで、「実は試験官が手抜き実験をしていました。日本国民と中国政府ならびに中国人民に多大のご迷惑をおかけしました」なんて、国辱的謝罪会見にならなければいいが。そういう憂慮もちょっぴりしているのです。


 (製品の国別よりは値段で選ばれたカリカリを朝夕あてがわれている飼いネコ、その餌を頂戴している ネズミ) 

≪追記≫
原文はこちら。

http://www.chubun.com/modules/article/view.article.php/66922/c72
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by damao36 | 2008-04-11 20:50 | 中国語 | Comments(0)

オーストラリア首相、中国語の実力

オーストラリアの首相ケビン・ラッド氏(中国名は自称「陸克文」)は中国語がうまいといわれていますが、その実力はどの程度なのでしょうか。

You Tubeに動画がありました。なかなかなものですね。
http://www.youtube.com/watch?v=zN42pk7eozk&feature=related


長女は昨年ホンコン籍中国人と結婚、長男は法律を勉強したあと、上海の復旦大学にも留学、14歳の次男も中国語を勉強しているとか。中国文化や北京の生活が好きで、中国人の友達もおおぜいいるとか。かなりの”中国迷”ですね。

北京オリンピックを楽しみにしているとも語っているようですが、8月8日の開会式、出席されるのでしょうか。
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by damao36 | 2008-04-08 20:26 | 中国語 | Comments(0)

ラサ騒乱、中国の報道

昨日のロンドンでの聖火リレーで37名拘束されたとの報道でしたが、今日のパリはどうなるのでしょうか。

ネットのチベット報道では今日は「新華社、亡命政府を批判 死者名リストは偽物と報道」(2008.4.7 12:35)として、以下の記事がでていました。

 中国の国営通信、新華社は7日までに、チベット亡命政府(インド・ダラムサラ)が発表したチベット暴動などでの死者名リストについて「まったく事実と符合しない」と指摘、偽物だとして亡命政府側を批判した。

 亡命政府が3月25日に発表した40人の死者名リストで、住所が示された5人のうち4人は同姓か似た名前の人がいたが、いずれも生きており、1人は当該者がいないとした。残りの35人は、具体的な住所や職業などが発表されておらず、調査できないとしている。

 また中国の大手ニュースサイト「新浪網」が、欧米メディア報道は事実を歪曲(わいきょく)しているとして、インターネット上で呼び掛けた抗議署名は7日、220万人分を超えた。(共同)


中国ではどうかと思って、「国際在線」を見ると「拉薩 3砸14打○搶燒暴力事件」という特集があり、事件で亡くなった無辜の犠牲者18名の名簿(在事件中喪生的無辜群衆名單)などが出ていました。いわゆる”暴徒”を含めてどれだけの人が亡くなったかの報道はありませんでした。
http://gb.cri.cn/18824/2008/03/21/Zt1965@1990093.htm



ところで、次の写真、”軍が僧侶の服装をして暴徒を演じた証拠”として流されている写真ですが、それについては以下のような説明です。


d0144814_18383964.jpg



「この写真は2001年9月、武警西藏總隊の隊員が映画《無脈傳奇》の撮影のエキストラ出演のときのもの」(這片照片是2001年9月,武警西藏總隊官兵在拍攝電影《無脈傳奇》過程中,充当群众演員,分發演出服時拍攝的。)とのこと。なお、制服が2005年以前の85式制服で、今の武警の制服は胸と腕に徽章があるのに、この写真にはない。しかも夏服。周囲の民間人も3月の季節に着る服としたら軽めであり、バックの三輪車のホロも今のとは違っているとのことです。


記録としていくつか写真を添付しました。

d0144814_18412332.jpg


d0144814_18422138.jpg



青龍刀の男は武装警官という噂もありますが、それについての説明はありませんでした。

d0144814_18425470.jpg



最後の写真、漢族のお医者さんだそうです。救急車で駆けつけたところ殴られて怪我をしたとか。

さてさて、今年のオリンピックはどうなるのでしょうか。意地の張り合い、どう決着するのでしょうか。


 (”泰山鳴動鼠一匹”なんていう格言があるけど、そうなった方がいいのかどうか、人ごとながら気になるネズミ)
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by damao36 | 2008-04-08 11:55 | 政治 | Comments(0)