カテゴリ:中国語( 173 )

『日英中 三方攻読 中国語文法ワールド』について

 5月12日、朝日出版社からこのブログで発表した記事を中心にした文法書を上梓します。『聴く中国語』4月号に広告が出ています。以下はその広告文案ですが、書店に並びましたら、ぜひ内容をご覧ください。
 なお、ブログ内容には誤りも多いので、いずれブログは閉鎖しようと考えています。


『日英中 三方攻読 中国語文法ワールド』
    相原茂監修 大茂利充・後平和明共著(A5判580頁)予価 3,600円(+税)
第Ⅰ章 中国語ワールド(発音ポイント・文成分・品詞・16文型と22文種など。)
第Ⅱ章 文成分(文成分は主語・賓語・述語・補語・定語・状語の6つ。準述語の補語は結果・方
    向・可能・程度・様態・数量の6つ。述語展開の過程を示すアスペクトは始動態・持続態・
    完成態・出現態・経験態・将然態の6つ。)
第Ⅲ章 品詞(12の品詞主要語の語釈と用法,例文。連詞と関連する複文など。)
第Ⅳ章 文種(文種は名詞述語文・主述述語文・“是”構文・存現文・二重賓語文・“把”構文・連動
    文・兼語文(使役)・受身文・内界表出文・比較文・疑問文・反語文・否定形・感嘆文な
    ど。)
第Ⅴ章 その他(常套語・日中同形異義語・句読点など。)


 著者の大茂氏は16歳まで中国で過ごし、大学では中国語を専攻。卒業後,公立高校で国語漢文教師となり,定年後に通訳案内業資格を生かして,中国語講師・通訳業に携わる。実際に中国語を教えてみての疑問を十数年にわたり書き溜め,英語教師後平氏の協力を得てそれを体系的に整理する。15年末より中国語教育第一人者の相原茂氏にその内容の監修を依頼し,指摘個所の修正・補足を終え,例文にはすべて英訳を併記。英文法・日本語文法との比較をすることで理解を深める。語釈・用法などは《现代汉语词典》(第6版)に依拠しつつ新たな分類整理を試みる。中級・上級用の中国語文法書ではあるが,中級以上を目指したい初級者にとっても,中国語ワールドを知る上で必携の書。
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by damao36 | 2017-03-26 08:37 | 中国語 | Comments(0)

体感中文―自動詞と他動詞(文法オタクの独り言)

 現代中国語の規範を示す《现代汉语词典》も2012年の第6版からようやく品詞識別をするようになりました。でも,英語辞書のように他動詞(及物動詞)・自動詞(不及物動詞)の識別はありません。日本語も同じなのですが。

 さて,以下の1・2の中国語文,その文成分を見ると,“你”は主語,“明天”は状語,“上海”は賓語(目的語とも言う)です。
  1 你/明天/去/上海吗? Nǐ míngtiān qù Shànghǎi ma?
    Will you leave for Shanghai tomorrow?(明日上海にお出かけですか)
  2 你/明天/要离开/上海吗? Nǐ míngtiān qù Shànghǎi ma?
    Are you leaving Shanghai tomorrow.(明日上海を発つのですか)

   
 ところで,1の述語“去”と2の述語“离开”,英語は同じ“leave”なのですが,1は自動詞で,2は他動詞だそうです。そうした認識に欠ける私は,ついつい“for”を言い落してしまうのです。

 中国語はというと,“去”の後にも“离开”の後にも同じように場所詞の“上海”が座っています。ですから,なにも1は “不及物动词”で2は“及物动词”だと,ことさらに区別する必要はなさそうです。1の“上海”は本当は賓語ではなく,準賓語(“假宾语”),2の“上海”は本当の賓語で真賓語(“真宾语”)。なぜなら1は“不及物动词”で,2は“及物动词”だから。そんな分析,聞いたことがありますが,これは文法オタクのすること。だから辞書にも明記してないのだ。今はそう思っています。
≪追記≫
   そこまで考えてあとは打ち切りにしてたのですが,やっぱり文法オタクなのでしょうか,今度は“及物动词”
   “不及物动词”の“及物”が気になり,一晩考えて,以下の結論を得ました。
     【結論】 1の“去”はまだ“上海”には足跡を付けてもいない,だから“不及物”。
           2の“离开”は“上海”の住人の一員であることから抜けるから“及物”。

    


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by damao36 | 2013-12-04 12:39 | 中国語 | Comments(0)

中国語の名称・いろいろ

中国语(Zhōngguóyǔ 中国語)
通じることは通じるが,会話で使われることははほとんどない。

中国话(Zhōngguóhuà 中国話)
話し言葉。固有名詞というよりは,「中国の言葉」という感じ。

汉语 (Hànyǔ漢語)
漢族の言語という意味。漢族の言語はさらにいくつかの方言に分かれる。“中文”“普通话”同
様私たちが使う「中国語」の意味で使われる。→外语,日语,英语

中文 (Zhōngwén)
“汉语”に同じ。「学術的な方面などでは一般にこれが用いられている」と『中日辞典』(小学館)
では説明されている。個人的には,文章の場合は“中文”でいいが,言語という意味では“汉语”
がいいと思っている。→外文,日文,英文

普通话(pǔtōnghuà普通話)
標準語,共通語の意。“汉语”“中文”に同じで,私たちが学習する「中国語」。この“普通话”は
北京語音を標準音に,北方語を基礎方言とし,模範的な現代白話文の著作を文法規範として
いる。

國語(Guóyǔ 国语)
中華民国成立後,いわゆる北京官話を「國語」と称して標準語に指定した。台湾では「中国語」
のことを今もこのように呼ぶ。

Mandarin
清朝時代に中国に来た外国人が,清朝官吏が庶民とは違う言葉を用いていたので,清朝・高官
の赤い服の色からつけられた名称。満州族の旦那様の意味の“満大人” (mǎndàrén)からとい
う説もあるが,これは俗説だとか(阿辻哲次著『近くて遠い中国語』中公新書)。なお,柑橘類のマ
ンダリンも清朝・高官の服の色から名づけられた。香港の英語会話者間などで今も通用する。

华语( Huáyǔ華語)
南洋華人(Nanyan Chinese)はアフリカ黒人に代わる労働力として19世紀以降に東南アジアに移住した人たちの末裔が主。中国語学習が民族意識を強める理由から,中国語教育を禁止する国も多いが,貿易立国の華人が中心になって建国されたシンガポールは,公用語の一つに“华语”が指定され,大陸に倣った中国語学習が盛ん。華人のほとんどがわかりやすいプートンファを話す。

北京话/官话(Běijīnghuà/guānhuà 北京語/官話)
北京および中国北部各省で使われていた公用標準語の旧称。清朝時代,地方で高等官吏が使
っていたので,“官話”と呼ばれた。
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by damao36 | 2013-10-25 17:40 | 中国語 | Comments(0)

中国語悪口言葉――莫言の《丰乳肥臀》から

 2012年にノーベル文学賞を受賞した中国の作家莫言(mòyán)に《丰乳肥臀》(『豊乳肥臀』)という作品があり,それを読んでいたら,登場人物たちの発する罵詈雑言がかなり目に付きました。
  a 操他祖宗 操你老祖宗  操你妈  妈拉个巴子  灰孙子
  b 你这狗泡尿都不如   狗娘养的   你这个狗崽子   母狗   畜生
  c 杂种    野种   小坏种    傻瓜    傻小子   鳖种    孬种
  d 笨蛋   混蛋   胡扯鸡蛋   骚货   蠢货   放屁          (マダマダアリマス)

 aは家族関係の語。日本語訳は「くそ野郎め」「バカ野郎」などと無難に訳していますが,中には「お前のお袋と寝てやるぞ」なんてのもありました。bは動物。なぜかイヌが多いですね。日本語の「畜生」は悔しさを表すときに使いますが、中国語の“畜生”は「ど畜生」「けだもの」と,相手を下げずむ言葉。c・dの“种”“蛋”。こうした発想は日本語には欠けているようで,「クソ餓鬼」「バカ」「ろくでなし」「ぼんくら」などと訳しています。

 この小説は20世紀後半の中国で,8女1男を設けて生きた女の一生を描いたもの。したがって,最初に“日本鬼子就要来了!”(日本鬼子が来るぞォー!)と,日本人が登場するのはある意味しかたのないこと。そして,当時の華北に住む中国人が抱く日本人のイメージはというと,どうも以下のようなものであったようです。
  据说是个头矮小, 四肢粗短, 蒜头鼻子, 铃铛眼睛, 吃人心 
 肝, 喝人鲜血的小日本鬼子种……。
(なんでもチビで手足が短く,団子っ鼻にどんぐ
  りまなこで,人の肝を食らい、人の血を飲むという日本鬼子が……。)<日本語訳は吉田富夫。平凡社版

 私は日本人としては背の低い方ではありませんが(中国人に比してもです),でも”四肢粗短, 蒜头鼻子, 铃铛眼睛”というのは当たっていて,実に不愉快ですね。

≪追加≫
 そういえば戦時中の日本の新聞には“鬼畜英米”と,“畜”の字までつけた蔑視語が踊っていました。”チャンコロ”という言葉もよく耳にしました。

 ところで,先日亡くなられたやなせたかしさん,その訃報で、孫の大好きなあのアンパンマンは,やなせさんの日中戦争の体験から生まれたということを知り,あらためてアンパンマンの歌を聴いたりしております。

 まったく気づきませんでしたが,漫画家やなせたかしさんのお考え,しごく当たり前のことですが,すばらしいですね。

 「今だけ,金だけ,自分だけ」のいまの日本人,アンパンマンのいうことに気づいてほしい,それがわたしの遺言でしょうか。

(やなせさんの言葉)
 正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。
 逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。

 自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい。

 正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです。

 ぼくらも非常に弱い。強い人間じゃない。でも、なにかのときには、やっぱりやってしまう。ヒーローというのは、そういうものだと思います。

 困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです。

 なんのために生まれて何をして生きるのか これはアンパンマンのテーマソングであり、ぼくの人生のテーマソングである

(やなせさんの被災者の方へのメッセージ)
 生きていることが大切なんです。今日まで生きてこられたなら、少しくらいつらくても明日もまた生きられる。そうやっているうちに次が開けてくるのです。今回の震災も永遠に続くことはありません

 アンパンマンは“世界最弱”のヒーロー。ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。そして戦います。それは私たちも同じ。みんな弱いけれど、そうせずにはいられないときもあるのです

 そして、子どもたちへ。こんな大きな地震は初めての体験だろうし、すごく怖がっていると聞いています。でも、とにかく元気でくじけないで。きっとアンパンマンが助けに行くからね

(やなせさんの人生観)
 アンパンマンのテーマソングは「なんのために生まれて、なんのために生きるのか」というのですが、実はぼくはずいぶん長い間、自分がなんのために生まれたのかよくわからなくて、闇夜の迷路をさまよっていました。

 もっと若い時に世に出たかった。ただし遅く出てきた人というのは、いきなりはダメにならない。こんなことしてていいのかと思っていたことが、今みんな役に立ってる。無駄なことは一つもないですね。

 ぼくら夫婦には子供がなかった。妻は病床にアンパンマンのタオルを積みあげて、看護婦さんや見舞い客に配っていた。アンパンマンがぼくらの子供だ。

 人生の楽しみの中で最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。

 一瞬を一生懸命生きるということと、目の前にいる人を喜ばせる。毎日、それをやっていきます。それしかありませんね。きっと、これからも。
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by damao36 | 2013-10-25 10:59 | 中国語 | Comments(0)

人名表記あれこれ(1)(修正)

 エンジニアの豊島義郷(とよしま よしひろ 仮名)さんが中国駐在として派遣されることになり,中国に行くと,自分の名前の読みはおろか,漢字まで変わってしまうのにびっくりしました。その新しい名前の字体と読みは以下のとおりです。
   丰 岛 义 乡  Fēngdǎo Yìxiāng

 
 次に若い女性の畑めぐみさんと辻まどかさんが中国に留学することになりました。ところが,“畑”も“辻”も日本人が作った国字で、中国にはそんな字はない,“田”か“十”をもとにして作ったのだろうから,読みはもとの字の発音で,活字もとりあえずもとの字を使うしかない,と中国人留学生にいわれました。名前の方のひらがなは日本語でそのように読むことのできる好きな漢字を選びなさい,と言われました。

 畑めぐみさんの方は「めぐみ」を漢和字典で調べてみたら,“恵”のほかに“爱”もいいとあったので,字体が少々気に入りませんでしたが,“爱”を選んで,“田 爱”とし,「わあ,生まれ変わったみたい」と上機嫌でした。

 ところが辻まどかさん,苗字が“十”と書かれるのも不満ですが,名前の「まどか」も漢字なら「円」かと思っていたら,その漢字も中国人には読めないと言われて,びっくりでした。そして“圓”の簡体字は“元”だと言われました。でも,彼が見せてくれた10元紙幣には,“拾圆”とも印刷されていました。

 「円」は使えなくても“圆”は使えるかもと思いましたが,姓の方はどうしたものでしょうか。まさか“十 圆”ではバーゲンセールみたいで,やはり我慢できません。

  ≪追加≫  以上は20年ほど前の話。パソコン時代の今日,最新版《现代汉语词典》を覗いてみたら,“畑”tián
         “辻”shíも“日本汉字”として載っていました。でも, “円”はまだ載っていません。“畑”はtián,“辻”shí
         いいとして,「ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ……」と歌った『原爆詩集』
         の峠三吉さんの苗字,中国語ではなんと発音したらよいのでしょうか。Shāngxiàとでも呼べばよいので
         しょうか。
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by damao36 | 2013-05-15 05:43 | 中国語 | Comments(0)

体感中文43―中国語のリズム私考

 中国語の名詞は2音節語が大多数です。動詞や形容詞の基本語は単音節語ですが,次第に2音節語が増え,今は2音節語が半数を大きく超えています。単音節語も実例では動態助詞や補語動詞がついて,述部もたいてい2音節かそれ以上です。

 それに比べて文法機能の意味をもついわゆる虚詞の多くは単音節語です。介詞,助詞,助動詞がそうです。2音節語に 単音節語が混じる,それに単音節3連続連語,単音節語プラス2音節語結合の連語,そうした1拍・2拍・3拍の3つの音節をもつ連語の組み合わせが中国語のリズムを作っている,今の私はそう推測しています。
1 少/花钱, 多/办事。Shǎo huōqián, duō bànshì.
  Get more done on less money.(すこしの経費で多くの仕事をする)
2 你/帮了我/大忙。Nǐ bāngle wǒ dà máng.
  You’ve been a great help to me.(大変たすかりました)xīn chǎnpǐn de kāifá.
3 我们/成功地/完成了/新/产品的/开发。Wǒmen chénggōng de wánchéngle
  We successfully completed the development of new product.(私たちは新製品の開発 をやり終え
  た)
    ※ 1は1拍と2拍,2は1・3.2拍,3は2・3・3拍に1・3・2拍のリズム。1拍の代詞・動詞・形容詞など
      の実詞は鋭く重く,助詞などの虚詞はおおむね軽声で発音。


 それから中国語は<名詞+□+名詞+動詞>といった文型が多い気がします。連動文・使役文・受身文・比較文などです。連動文・使役文の□は「~に言いつける」という意の動詞で,受身文・比較文の□は介詞です。□には使役も受身も同じ語が用いられたりしていますが、受身と比較の介詞連語は文全体としては修飾成分の状語なるので,介詞です。でも,その意味を考えると,受身の場合は「~によって」,比較の場合は「~に比べて」となり,訳に動詞が含まれます。ですから,介詞も準動詞と考えてVで表すなら,中国語はVOの繰り返しで意味を膨らませる,そんな感じがします。 

 中国語表現のもう1つの特色。前にも述べましたが,日本語にも共通することですが,「はじめに時間ありき」,いや「空間(天地)ありき」ではないかということです。
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by damao36 | 2013-02-18 11:13 | 中国語 | Comments(0)

196―“同文同種”や“雑種”を口にしたどこかの”馬の骨”

 中国から訪問団が来たとき,団長あいさつの枕詞として,必ずと言っていいほど両国間の関係を象徴する言葉として“一衣帯水”という成語が使われます。

 もうとっくの昔のことではありますが,中国に出かけてあいさつをすることになり,得意になって“日中两国是同文同种(同文同種)……。”と言ってしまいました。

 聞いていた人たち,なんのことかきっとわからなかったでしょう。あいさつなんて所詮形式ですから,最後はパラパラ拍手をいただいて降壇しました。

 白酒がかなり効いてきたころ,日本から同行していた中国人から,「中国人は“同文同種”という言葉,使いませんよ。」と言われました。


 帰国してからも,『広辞苑』にも出ている「同文同種」というこの言葉がときどき気になっていましたが,最近ネットで調べてみたら,作家の陳舜臣さんが「同文同種」という言葉について,こんな説明をしているのがわかりました。

 この言葉は「秦の始皇帝が文字と度量衡を統一した時の言葉『同文同軌』(「同じ文字を書き,車は”わだち”の幅が同じである」の意)を,日本人が誤用したものだ」(『日本人と中国人』(祥伝社 1971)ということ。そして,「同」という文字を日本人は「同じ」と訓じ,「同じである」という形容詞として理解しているが,中国人は「同じくする」という動詞の意味にも理解する。この成語の“同”を動詞の意味で理解したら,「同文同種」は「言葉だけでなく,人種まで統一する」という,「民族浄化といったコワイ意味」にもなる,陳舜臣さんははそのように説明していました。若いころの昔のことではありますが,とても恥ずかしく思ったのでした。


 さて,これは10年くらい昔のことですが,日本文化を紹介するときに,加藤周一という学者が「日本の文化は雑種文化である」と何かに書いてあったことを思い出して,“日本的文化是杂种文化……。”と,これも得意になって口にしました。聞いていた人たち,はじめはキョトンとしていましたが,やがてニヤニヤ,ガヤガヤし始めました。

 後で“杂种”を辞書で引いたら“骂话”と出ていました。「畜生,ろくでなし,どこの馬の骨か」という意味だそうで,“混合文化”とでもいうべきだったようです。


   (蛇足)“一衣帯水”とは「一本の帯のように狭い川や海,またはそれによって隔て
       られていること」という意味だそうです。日中間,飛行機なら数時間で,確
       かに近い隣国ではありますが,「一本の帯のように」という比喩,海を知ら
       ない人の言にも思われますね。
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by damao36 | 2011-09-18 12:08 | 中国語 | Comments(1)

185―中国語は「土星とそれをとりまく環」

 遠藤光暁氏は中国語の文の構造を,その著『中国語のエッセンス』(白帝社)の中で以下のように喩えています。
     喩えていうならば,中国語の文は「土星とそれをとりまく環」のようなもので,動詞が「土星」に相当し,
    それ以外の要素はその周りに配された「環」に相当します。(p83)

 つまり,中国語文の構成はその中核に動詞が位置し,その前と後に状語と補語,さらにその外側に主語と目的語がとりまいている。ときに,その先頭に状語や目的語が移動して「主題」となる。さらに第三の環として前に接続詞や間投詞,後に語気助詞がくる,そのように動詞が三層の環にかこまれた構造だと説明しています。

 なかなかうまい説明だなあと感心し,それなら日本語はと考えてみました。

 日本語もやはり述語(動詞と形容詞)が中心ですが,その位置は中国語のように真ん中ではなく,最後尾です。主語や連用修飾語(状語と目的語)は全部前で,日本語には主格とか目的格とか連用格とかを示す格助詞があるので,主語と連用修飾語の関係は主語が必ずしもいつも前とは限りません。動詞が文の中核と考えると,日本語は中国語のように「土星とその環」といったロマンチックなイメージの輪で喩えることはできず,述語が主語や連用修飾語を背負っている姿に思え,突飛で無粋な喩えですが,「薬箱をかかえた富山の薬売り」,なんとなくそんなイメージです。

 ついでに英語の構造はどうだろうかと考えてみました。

 主語のことを英語ではsubjectといいますが,この「sub-」という語の基本義は「下」とか「副」とかいう意味で,sub-jectは<sub-(~の下に)+-ject(投げられた)>,つまり「~の支配下にある」の意味になるのだそうです。

 なのに,現実の英語は主語の人称とか単数・複数とかの違いで動詞を変形させる権限を有しています。実際には動詞の方が主語の支配下にある,そういう感じです。

 それなら,主語は王子さまで動詞は王妃,目的語は家臣の貴族,つけたしの副詞句は従者たち。ロマンチックに喩えるならば宝塚歌劇の「ベルサイユのばら」,西欧宮廷の雰囲気なんてのはどうでしょうか。いや,西欧近代文明の産物,「鉄道列車」はどうでしょうか。
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by damao36 | 2011-06-20 06:00 | 中国語 | Comments(0)

183―“把”構文は表彰台でのパフォーマンス

 私は最近ワン老師から“你学汉语学得很好”とほめられました。ところが今日,中国語のライバルN女のことを“她把汉语学得很好”と私たちに向かってそうおっしゃいました。

 質問魔の私は早速聞いてみました。「“她学汉语学得很好”とどうしておっしゃらなかったのですか」と。

 ワン老師,ちょっと考えてからこうおっしゃいました。

 「君がオリンピックで金メダルをもらったとしよう。もらった後,すぐに台を降りてもいいけど,たいていの人はそのメダルを手にして高く掲げたくなるでしょう。“把”を使うってそんな感じだなあ。」とおっしゃいました。

 “把”構文というのは一人称・三人称は「(この)~を~した」,二人称は「(この)~を~せよ」,そういう感じで理解すればいいのか。”把”構文とは「~したよ」「~しなさいよ/してくださいよ」と,表彰台でパフォーマンスをすることなのだ,私はそう納得しました。

 ところで,「中国語を学んでいる」はVO文の“学汉语”です。「中国語をマスターしている」もVO文の“学好汉语”でいいしょう。それなら「中国語をとってもよくマスターしている」はどうして“学得很好”というV文になるのでしょうか。(中国語の補語Cは述部の一部ですからVのはずです。

 そこでまず英文を考えてみました。“学汉语”は“She learns Chinese”,“学好汉语”は“She learns Chinese well”です。「とっても」を言いたいなら,英語は“She learns Chinese very well”と,“very”を加えます。だったら中国語も“很”を加えて“学很好汉语”でいいのでは。そう思って質問したワン老師の答えは以下のとおりでした。

   “学好”の“好”は形容詞の叙述用法で,直前の述語“学”の結果がすばらしいと補足説明する補語です。
  しかし,“很”を加えて“很好”にするとると,「とてもいい」という形容詞の限定用法になってしまい,直後の
  名詞“汉语”を修飾して,“学很好的汉语”と取られて,「とても良質の中国語を勉強しているのか」と理解
  されかねません。「学んだ結果または状態がとてもいい」と,述語“学”の内容を膨らませるには,中国語特
  有の補語構文だる述語のあとから説明する方法を用いて,“学得很好”といわなくてはなりません。


 形容詞の叙述用法とか限定用法とか,中国語特有の補語構文とか,ややこしいなあとは感じましたが,中国語の勉強のためには大切なポイントかも,と納得でした。

 
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by damao36 | 2011-06-13 07:35 | 中国語 | Comments(0)

今年の年賀状―萬壽無彊

 あけましておめでとうございます。 

 今年の年賀状は以下の自作の油絵(F6号)を用い、賀春と赤字で、2011年を黄字で、上方に貼り付け、下方に住所と名前でした。

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 さて、コメントです。右側空欄に縦書きで、例えばこんなことを書いてみました。

      萬壽無彊  字書には永遠存在。
    漢人の大ウソ、今年も信じたふりしてまいりましょう。



 中国人の知人にはこう書きました。

      萬壽無彊  词典上说;永远生存。
     哈哈, 今年也装信这话, 活下去吧!!。

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by damao36 | 2011-01-02 13:49 | 中国語 | Comments(0)