この前ある人と口論して、「お前は『バカの壁』だ」といわれました。
さて、この「バカの壁」、中国語ではなんと訳せばいいのでしょうか。 「バカ」は「傻瓜」(shǎguā)か、「混蛋」(húndàn)が、それとも「二百五」(èrbǎiwǔ)か、でしょう。 「壁」は「牆」(qián)、または「壁」(bì)。 だったら、「バカの壁」は「傻瓜的壁」、あるいは文語的にして「傻瓜之壁」ではどうでしょうか。 でも、どうも中国語らしくなく、落ち着きません。日本人なら空間を読むとか、余白の美をこのむ傾向があるからか、名詞句表現だけで、十分ある世界を想像することができますが、中国人はどうも疑問です。 やはり「何か」だけでは不十分で、「何かがどうする」までいわないと満足できないのではないでしょうか。むしろ「何か」よりも具体的な動作である「どうする」の方を重視するのではないでしょうか。 そこで、もう一度、養老猛司さんが込めているこのタイトルの意味を考えてみました。私はその意味を以下のように解釈しました。 「バカな奴ほど自分の周りに勝手に壁を築き、世の中はこんなもんだと、決め込んで、つまり 思考停止 の状態で生きている。」 もっと短くいうと「バカは自分で築いた壁にすぐ頭をぶっつける」です。 そこで「ぶつける」という動詞は何かを考えました。中国語は「ぶつかる」という自動詞も、「ぶつける」という他動詞も動作動詞は「碰」(pèng)でしょう。そこで以下のように訳しました。 「傻瓜碰壁」(shǎguā pèng bì) どうでしょうか。中国語らしくなったでしょうか。「ぶつかる」を引くと「碰」のほかに、「撞」(zhuàng)もありますが、「碰」と「撞」、なんだかぶつかり具合が少し違うようです。 「バカな奴ほど自分の周りに勝手に壁を築き、世の中はこんなもんだと、決め込んで、つまり思考停止の状態で生きている。」 死脑筋と同じ意味なんでしょうか? 「死脑筋」詞典には「指头脑不灵活;思想陈旧/也指固执守旧的人」とありましたから、私が理解した「バカの壁」と同じですね。
あくまでも日本語の比喩的表現にこだわって「傻瓜碰壁」と直訳してみたまでで、中国語に「死脑筋」というピッタシの語、聞いた感じはありますが、まだ私の血肉にはなっていませんでした。 ありがとうございました。
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