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体感中国語145―自動詞と他動詞、自動詞文と他動詞文

 英語の辞書には動詞のさらなる区別として自動詞と他動詞とが表記されています。しかし、日本語や中国語の辞書にはふつうその表記はされていません。どうしてなのでしょうか。

 例えば「go」という単語は自動詞です。そこで「公園に散歩に行こう」というのを英語と中国語でいってみましょう。

    Let’s go for a walk in the park.
     (動  詞)  (補    語)  (副  詞  句)
    我们 去 公园 散散 步 吧!  Wǒmen qù gōngyuán sànsàn bù ba!
     (主 語)(動詞)(賓 語)(動詞)(賓語)


 英語はSVC文で、中国語はSVOVO文、つまり連動文になります。英語の動詞はは自他の区別が厳格で、自動詞のときはどうしても前置詞を介さなくてはつながりません。しかし、中国語の場合は、日本語もでしょうが、その区別がはっきりせず、動詞の後に名詞を持ってくれば、その名詞は賓語(ほぼ目的語と同義)になるのです。

 呂叔湘氏の動詞述語文の文型に他動詞文と自動詞文とがあり、その例文を各1例引用します。

 他動詞文  你 学过 英语 吗? Nǐ xuéguò yīngyǔ ma?
         Had you learned English?
 自動詞文  你 明天 去 上海 吗? Nǐ míngtiān qù Shànghǎi ma?
        Will you leave for Shanghai tomorrow?

 「learn」は他動詞ですから前置詞を必要とせず、そのまま目的語に連接できましたが、「leave」は自動詞ですから前置詞「for」が必要になります。ですから、英語を母国語としない私たちの語感覚とは違っているので、まずその区別に戸惑ってしまいます。

 しかし、中国語の場合は動詞のあとにまだ何らかの物事をつづけたいとききは、その動詞は他動詞なのです。もう何らかの物事をいう必要がないときはその動詞は自動詞なのです。要するに、動作の及ぼす対象である何らかの物事(名詞・句)を必要とする語、それをいわないと語句の意味が未完成だと思われる動詞は必然的に他動詞になるのです。中国語では「及物動詞」といっています。その反対に動作の及ぼす対象である何らかの物事(名詞・句)をいう必要のない場合は、その語は自動詞です。中国語では「不及物動詞」です。

 日本語の場合は、例えば「起きる」と「起こす」といったように形の上ではっきりとした自動詞と他動詞の対立のある場合が多いのですが、中国語の場合は語形による区別はなにもありません。

 もともと単語にはその表す意味により、後ろに対象となる賓語を必要とする語があり、つまり他動詞と、その必要を感じない語、つまり自動詞とがあります。日本語の場合は多くは語形を変える必要が生じますが、中国語の場合は語形変化はしないので、形の上から区別することはできません。ですから、動詞の後ろに名詞がきている場合はVO構造ですから、その後は他動詞なのです。賓語となる名詞(句)とその前にある動詞がうまくつながるように意味を取ればいいのです。

 ですから、同じ単語でも、当然自動詞と他動詞とでは、基本的な意味は変わらなくても、訳語が異なることがあります。

  A  他来了。     Tā lái le。
  B  来一瓶啤酒。  Lái yì píng pījiǔ。

 Aは「彼が来た」で、「」は「来る」の意味になります。

 Bは語順のままだと「来い。一瓶のビール」ですが、これでは不自然ですから、自然な日本語なら「ビールを一本持って来てください/ちょうだい」という意味になります。


 なお、中国語の他動詞の中には離合詞とよばれるものや二重目的語をとる動詞があります。この2つも注意が必要ですね。
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by damao36 | 2009-05-13 17:21 | 中国語 | Comments(0)
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