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体感中国語117―中国語の品詞は結局いくつか

中国語言学会会長をも務めた呂叔湘(1904~1998)主編の『现代汉语八百』を日本語版にした『中国語文法用例辞典』(牛島徳二主編 東方書店)を購入しました。これまでは私には専門すぎて、“ブタに真珠”と敬遠していたのですが、自分なりに中国語の文法を考えてきたので、こうした専門書で検討するのも必要と考え、購入することにしました。

さて、今まで私が書いてきた内容と比べてみると、いろいろと修正したり、書き換えたりしなければならないことが出ているようです。またなかなか理解できないこともあります。

今回はまず品詞について比べることにします。

これまで私は『现代汉语词典』によって品詞を以下のように12種類に区分してきました。

1名詞、2動詞、3形容詞、4数詞、5量詞、6代詞、7副詞、8介詞、9連詞、10助詞、11感嘆詞、12擬声詞

現在日本で出版されている多くの文法書や辞典ではもう1つ助動詞という項がありますが、英語は助動詞という独立した品詞を立てていない、倉石武四郎の『岩波中国語辞典』も助動詞の項はないということもあって、私は『现代汉语词典』にならっていまのところ助動詞は動詞の一部としております。


ところで、呂氏の『用例辞典』はどうなのでしょうか。

見出しの品詞は以下の12種類です。
1名詞、2量詞 3指示詞、4代詞、5数詞、6動詞、7助動詞、8動詞、9副詞、10介詞、11接続詞、12助詞

でも、「第2節 品詞」で挙げられている品詞名は以下の13種類です。
1名詞、2方位詞 3数詞、4量詞、5指示代詞、6動詞、7形容詞、8副詞、9介詞、10接続詞、11助詞、12感嘆詞、13擬声・擬態語

見出しに方位詞と感嘆詞、擬声・擬態語の3品詞がないのは、『用語辞典』にそうした語彙は取り上げていないからです。

見出しには指示詞と助動詞があるのに、「第2節」では指示詞と代詞が指示代詞に、動詞と助動詞が動詞にまとめられてしまっています。どうして見出しでは分けているのに、品詞としてはまとめてしまうのか、これは私にははなはは疑問で、今後の課題です。


それではこの『用語辞典』の品詞区分と私がよりどころにしている『现代汉语词典』との区分を比べてみることにします。

「指示代詞」と「代詞」、「擬声・擬態語」と「擬声語」は呼称の違いに過ぎないでしょう。「連詞」を「接続詞」としているのはきっと訳語による違いです。ただ、「方位詞」というのが一つ増えています。この「方位詞」というのは体感51「方向詞、そして場所詞」でふれた「方向詞」と同じです。”东・南・西・北“、“左・右”、“上・下”、“里・外”、“前・后”といった語で、多くの書は名詞に数えていますが、ふつうの名詞とは違うところがあるので、きっと微妙なのでしょう。


(品詞名の呼称は各書によって違っていることはよく見られることです。例えば介詞を前置詞、連詞を接続詞、感嘆詞を間投詞、擬声・擬態語を擬声語または擬音語などです。)
by damao36 | 2008-11-23 08:01 | 中国語文法 | Comments(0)
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