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体感中国語79―品詞はどのように決定するのか

ハートで感じる英語塾の大西泰斗先生が「red」という単語を示して、「品詞はなんですか」と質問します。みんな形容詞だと答えました。ところで、先生の答えは、「正解はわからない」でした。

1 Red is the color of passion.
2 I live red.
3 The skirt is red.
4 I like the red skirt.
5 The logs were burning red.

                              (1っと2は名詞、3と4は形容詞、5は副詞なのだそうです。)



上記の例文を挙げ、「英語では品詞というのはおおよその目安に過ぎない。実際に文の中の位置を見なくてはわからない」と説明しました。また、「英語は配置の言葉だ。<並べると説明>、<前から限定>が原則。英語は名詞だ、形容詞だなどと目くじら立てて覚えることはない。英語は配置の言葉だから、どこに並べるかによって意味が決まる。それを覚えることがとても大切なのだ」ともおっしゃいました。

中国語も配置の言葉だと思うので、英語と同じだと考えていいでしょうか。それともどこか違うところもあるのでしょうか。


私は形容詞の例はないものかと考えたのですが、思いつかず、前に品詞の決定で悩んだことのある「」という漢字をまずは思い出しました。この文字はもともと動詞だの思うのですが、介詞(前置詞)のときもあります。副詞のときもあります。

1 我今天家。 (私は今日は家います。)

2 我今天家看书。 (私は今日は家読書です。)

3 我看书。 (私は本を読んでいます。)

4 我现在住上海。  (私は上海に住んでいます。)



さて、上記の「」の品詞はなんなのでしょうか。


1は動詞です。他に述語になりそうな語は見当たりません。

2は「看」がこの文の述語動詞でしょう。ここの「」は「家で」という「で」に該当する介詞でしょう。

3は「看」と「喝」という動作を表す語が2つあります。いわゆる連動文でしょうか。ここは「+看(動詞)」となって、「」が「看」という動詞を<前から限定>していると理解すべきでしょう。「つづいている状態で見る」、つまり「見ている」という意味になります。このように前から動詞を限定しているので、ここは副詞です。

4の「」は「+上海」ととらえて「上海に」の「~に」に該当する介詞だとする考えもありそうですが、動詞「住」だけではこの文で言いたい「住んでいる」という意味に解するのに無理があります。また、介詞構文が述語の後に来ることもないのではないでしょうか。だからここは「住+」と複合動詞ととらえ、「住む」という状態に「存在している」という状態をドッキングさせて「住んでいる」という意味になるとすべきでしょう。つまりここは「住」という本動詞のもつ意味に「存在している」という意味の「」を補足した形式で、補語的はたらきの「」だと見るべきでしょう。


さて、ここで疑問がわいてきてしまいました。

3と4、いずれも「~している」と訳せそうなのですが、3を「看在」とし、4を「在住」としたらいけないのでしょうか。
by damao36 | 2008-09-15 10:12 | 中国語 | Comments(0)
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