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これでいいのか⑮――単文・複文・重文

文が単文か複文か,それとも重文かという分類,それほど重要な問題ではないでしょうが,用語の意味をきちんと理解しておくことはやはり必要でしょう。

そこで『広辞苑』と『大辞泉』の単文・節・複文・重文の説明と『新明解国語辞典』の単文・複文の説明,さらに《现代汉语词典》の“单句”(単文)“分句”()“复句”(複文)の説明を挙げておきます。(例文には下線を付す。

 【単文】 simple sentence 主語・述語の関係を一組だけ含む文。一つの節からなる文。

 【】  文法で、一組の主語と述語からなるまとまり。

 複文】 complex sentence 主節と従属節からなる文。主節の一部に従属節が含まれている文。「誰もが雪が降ると思っている」「雪が降ると,電車が止まる」「雪が降る日は寒い」「雪の降る」が従属節でそれ以外が主節。

重文】 compound sentence 主語・述語の関係が成り立つ部分が、対等の資格で結ばれている文。合文。「花は咲き,鳥は歌う」の類。(以上『広辞苑』

単文】 文の構造上の分類の一つ。一つの文において、主語・述語の関係が1回だけで成り立っているもの。「鳥が鳴く」「犬が速く走る」などの類。

】  文を構成する部分として一つのまとまりをなす連文節で、その中に主語・述語の関係を含むもの。

 複文】 文を構造上から分類した場合の一。主語・述語からなる文でさらにその構成部分に主語・述語の関係が認められるもの。「ここは雨の多い地方だ」など。

重文】 主語と述語をもつ関係が二つ以上並列的に含まれる文。「冬がさり,春が来る」など。(以上『大辞泉』

単文】 〔文法で〕一つの文の中に,主語・述語の対応関係が一つしか認められないもの。

】  主語と述語を備えた語の連続が,文の一部分となったもの。

複文】 〔文法で〕一文中に主部・述部の対応が二つ以上認められるもの。〔山田文法では〕これを三つに分ける。重文=もと対等の関係を持つ二つの文が,上下区の資格で一文を構成するもの。例:「バッターがよく打ち,ランナーもよく走る」。合文=主・従の関係を持つ二つの句からなる文。例:「君が行くなら,僕も行く」。有属文=主語・述語・修飾狗のいずれかの中に,主述の対応を含む文。例:「何を言われても怒ったことの無いのが,強いて言えば欠点だ」。なお,学校文法では「複文」から「重文」を除く。以上『『新明解国語辞典

单句dēnjù 不能分析成两个或两个以上的分句的句子。

分句fēnjù 语法上指复句里划分出来的相当于单句的部分。分句和分句之间一般有停顿,在书面上用逗号或者分号表示。分句和分句在意义上有一定的联系, 常用一些关联词语(连词、有关联作用的副词或词组)来连接,如天晴了,雪也化了

复句fùjù 语法上指能分成两个或两个以上相当于单句的分句的句子, :梅花才落,杏花又开了河不深,可是水太冷明天不下雨,我们上西山去这三个复句各包含两个分句。同一复句里的分句,说的是有关系的事。一个复句只有一个句终语调,不同于连续的几个单句。



英語の文法書には英文には単文(a simple sentence)・複文(a complex sentence)、そして重文(a compound sentence)という区分があると記されていますが,日本語や中国語の文法書では重文という文法用語をほとんど見かけません。どうしてそうななのかが私にはわからず,ある程度調べた結果,『中国語文法ワールド』P.367では以下のように説明したのでした。

※ 英語では文を単文・重文・複文と区分することがある。しかし,中国語の複文は英語の複文(a complex sentence)ではなく,重文(acompound sentence)に該当する。日本語の学校文法でも重文という分類は採用していない。

でも,改めて上記辞書の説明を読み,この説明の「中国語の複文は英語の複文(a complexsentence)ではなく,重文(acompound sentence)に該当する」という部分はは誤りで,正しくは以下のように訂正すべきだと思うようになりました。

※ 英語では文を単文・重文・複文と区分することがある。しかし,英語の複文(mplex sentence)に該当する中国語文は本書の主従複文で,英語の重文(a compound sentence)に該当する中国語文は本書の対等複文で,重文という語は用いない。なお,日本語の学校文法でも重文という分類は採用されていない。

また,日本語の複文と中国語の複文の関係も気になりました。『広辞苑』・『大辞泉』・『新明解国語辞典』の例に,主従複文・対等複文ではない文があるからです。

A 誰もが雪が降ると思っている。(『広辞苑』

B ここは雨の多い地方だ。(『大辞泉』

  C 何を言われても怒ったことの無いのが,強いて言えば欠点だ『新明解国語辞典』

このABCは『新明解 国語辞典』の複文説明にある「主語・述語・修飾狗のいずれかの中に,主述の対応を含む」有属文のようです。Aは「雪が降る」が目的格の連用修飾語句,Bは「雨の多い」が連体修飾句,Cは「何を言われても怒ったことの無いのが」が全文の主語(主部) ,「強いて言えば欠点だ」が全文の述語(述部),つまり主述述語文といえそうです。

 中国語訳ABC文だと、A文は(=SVO)型の主述賓語文(内界文),B文は型の変則連動文(本則は),C文は日本語も同じですが,全体が継起型の複文で,前節も後節も一種の連動文型です。

A’谁都将要雪。

B’这地方雪很

  C’别人怎样他他仍然没有生过气, 硬要说来,这点他唯一的缺点。


ここでまたまた疑問なのは,単文を『広辞苑』は「主語・述語の関係を一組だけ含む文」,『大辞泉』は「一つの文において,主語・述語の関係が1回だけで成り立っているもの」,『新明解国語辞典』は「一つの文の中に、主語・述語の対応関係が一つしか認められないもの」と定義し,《现汉》は“单句”を“不能分析成两个或两个以上的分句的句子”と説明しているものの,「主・述の関係を一組だけ含む文」とは明言していないことです。「主・述の関係を一組だけ含む文」とは言い難い中国語の連動文を中国語文法では単文とみるのか,複文とするのか,諸書を見てもその点があやふやなことです。






by damao36 | 2017-08-22 07:51 | 中国語 | Comments(0)
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